ケプラー36cとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/17 08:48 UTC 版)
「ケプラー36b」の記事における「ケプラー36cとの関係」の解説
ケプラー36系には、ケプラー36bと同時に発見されたケプラー36cという惑星がある。ケプラー36cは、質量が地球の8.08倍、半径が地球の3.679倍であり、その数値からガス惑星 、恐らくは天王星型惑星である。また、ケプラー36bと同様、軌道長半径が1919万km(0.1283AU)と、やはりケプラー36から極めて近いため、表面温度が665℃(928K)のホット・ネプチューン である。 ケプラー36bは約13.9日、ケプラー36cは約16.2日で公転しているため、6:7の軌道周期を持っている。これは、約97日に1回の割合で合が起こる事を示しており、合の時に内惑星であるケプラー36bから見れば、外惑星であるケプラー36cが衝を起こしている事になる。両者の軌道長半径はたった194万kmしか差がないため、合の時には、地球と月の軌道の5倍しか離れていない事になる。ケプラー36cは月の13.5倍大きいため、一番接近した時ケプラー36bからケプラー36cを見れば、満月の2.7倍もの大きさで、深い青色をした惑星が見える事になる。両者の位置関係は常に変化するため、ケプラー36bは強烈な潮汐力が加わる事になる。ケプラー36bは岩石惑星のため、激しい火山活動が起こっている可能性がある。このような惑星は、木星の潮汐力で火山活動の激しい天体である太陽系の衛星のイオに因み、スーパー・イオと呼ばれる事もある。 ケプラー36bとケプラー36cの密度差は8.35倍と、これほど組成の違う天体が接近した軌道を持つ惑星系はケプラー36系が最小である。これは、太陽系のような岩石惑星とガス惑星の関係とは相当異なる。太陽系のどの岩石惑星とガス惑星のペアと比べても、この20倍も密な軌道である。このような軌道の接近のメカニズムはまだ不明である。 これほど接近していれば、軌道の変化による惑星同士の衝突も考えられるが、数値積分では、サンプルの91%以上が、直近700万年間では衝突しないと出ている。また、100の数値をランダムに描写した場合でも、1億4000万年間は破壊的な出会いを経験しない。
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