ケプラー方程式
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ケプラー方程式(ケプラーほうていしき)とは、ケプラー問題[注 1]において離心近点離角 E と平均近点離角 M の関係を記述する次の超越方程式のことである[1][2]。
- ^ 『ケプラー方程式』 - 天文学辞典(日本天文学会)
- ^ a b 木下 1998, p. 9.
- ^ 数学セミナー増刊「数学・物理100の方程式」日本評論社、ISBN 4-535-70409-0、p.134.
- ^ a b c d e f g h i 「数学・物理100の方程式」p.135.
- ^ 木下 1998, p. 55.
- ^ a b 「岩波数学公式Ⅱ」新装版、岩波書店、1987年、ISBN 4-00-005508-9、p.129.
- ^ G.N.Watson, A Treatise on the Theory of Bessel Functions(reprint), Cambridge University Press, 1996, ISBN 0-521-48391-3, p.552.
- ^ a b c d e f g G.N.Watson, A Treatise, p.553.
- ^ 「岩波数学公式Ⅲ」新装版、岩波書店、1987年、ISBN 4-00-005509-7、p.178.
- ^ 「岩波数学公式Ⅲ」p.215.
- 1 ケプラー方程式とは
- 2 ケプラー方程式の概要
- 3 参考文献
- 4 関連項目
ケプラーの方程式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/18 03:33 UTC 版)
主に歴史的に使われてきた軌道を計算する方法の1つは、ケプラーの方程式である。 M = E − ϵ ⋅ sin E {\displaystyle M=E-\epsilon \cdot \sin E} . ここで、Mは平均近点角、Eは離心近点角、 ϵ {\displaystyle \displaystyle \epsilon } は軌道離心率である。 ケプラーの公式では、近点から真近点角 θ {\displaystyle \theta } に至るまでの時間は、2つのステップによって求められる。 真近点角 θ {\displaystyle \theta } から離心近点角 E {\displaystyle E} を求める。 離心近点角 E {\displaystyle E} から時間 t {\displaystyle t} を求める。 逆に与えられた時間の離心近点角を求めるのはより難しい。ケプラーの方程式は E {\displaystyle E} に対して超越的で、つまり E {\displaystyle E} について代数的に解くことはできない。ただし、反転させて解析関数的に解くことはできる。 全ての実数 ϵ {\displaystyle \textstyle \epsilon } に対して適用できるケプラーの方程式の解は、以下のとおりである。 E = { ∑ n = 1 ∞ M n 3 n ! lim θ → 0 ( d n − 1 d θ n − 1 ( θ θ − sin ( θ ) 3 n ) ) , ϵ = 1 ∑ n = 1 ∞ M n n ! lim θ → 0 ( d n − 1 d θ n − 1 ( θ θ − ϵ ⋅ sin ( θ ) n ) ) , ϵ ≠ 1 {\displaystyle E={\begin{cases}\displaystyle \sum _{n=1}^{\infty }{\frac {M^{\frac {n}{3}}}{n!}}\lim _{\theta \to 0}\left({\frac {\mathrm {d} ^{\,n-1}}{\mathrm {d} \theta ^{\,n-1}}}\left({\frac {\theta }{\sqrt[{3}]{\theta -\sin(\theta )}}}^{n}\right)\right),&\epsilon =1\\\displaystyle \sum _{n=1}^{\infty }{\frac {M^{n}}{n!}}\lim _{\theta \to 0}\left({\frac {\mathrm {d} ^{\,n-1}}{\mathrm {d} \theta ^{\,n-1}}}\left({\frac {\theta }{\theta -\epsilon \cdot \sin(\theta )}}^{n}\right)\right),&\epsilon \neq 1\end{cases}}} この値を求めることで、次の式が出る。 E = { x + 1 60 x 3 + 1 1400 x 5 + 1 25200 x 7 + 43 17248000 x 9 + 1213 7207200000 x 11 + 151439 12713500800000 x 13 ⋯ | x = ( 6 M ) 1 3 , ϵ = 1 1 1 − ϵ M − ϵ ( 1 − ϵ ) 4 M 3 3 ! + ( 9 ϵ 2 + ϵ ) ( 1 − ϵ ) 7 M 5 5 ! − ( 225 ϵ 3 + 54 ϵ 2 + ϵ ) ( 1 − ϵ ) 10 M 7 7 ! + ( 11025 ϵ 4 + 4131 ϵ 3 + 243 ϵ 2 + ϵ ) ( 1 − ϵ ) 13 M 9 9 ! ⋯ , ϵ ≠ 1 {\displaystyle E={\begin{cases}\displaystyle x+{\frac {1}{60}}x^{3}+{\frac {1}{1400}}x^{5}+{\frac {1}{25200}}x^{7}+{\frac {43}{17248000}}x^{9}+{\frac {1213}{7207200000}}x^{11}+{\frac {151439}{12713500800000}}x^{13}\cdots \ |\ x=(6M)^{\frac {1}{3}},&\epsilon =1\\\\\displaystyle {\frac {1}{1-\epsilon }}M-{\frac {\epsilon }{(1-\epsilon )^{4}}}{\frac {M^{3}}{3!}}+{\frac {(9\epsilon ^{2}+\epsilon )}{(1-\epsilon )^{7}}}{\frac {M^{5}}{5!}}-{\frac {(225\epsilon ^{3}+54\epsilon ^{2}+\epsilon )}{(1-\epsilon )^{10}}}{\frac {M^{7}}{7!}}+{\frac {(11025\epsilon ^{4}+4131\epsilon ^{3}+243\epsilon ^{2}+\epsilon )}{(1-\epsilon )^{13}}}{\frac {M^{9}}{9!}}\cdots ,&\epsilon \neq 1\end{cases}}}
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ケプラーの方程式
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平均近点角 M は離心近点角と M = E − e sin E {\displaystyle M=E-e\sin E} で関係付けられる。この関係式はケプラーの方程式と呼ばれる。 e {\displaystyle e} ( e < 0.6627434 {\displaystyle e<0.6627434} )の値は小さいため、 E 0 = M {\displaystyle E_{0}=M} という初項を使って、漸化式 E i + 1 = M + e sin E i {\displaystyle E_{i+1}=M+e\sin E_{i}} によりこの方程式を解くことができる。最初の数項における e の冪級数は次のようになる。 E = M + e sin M + e 2 2 sin 2 M + e 3 8 ( 3 sin 3 M − sin M ) + … {\displaystyle E=M+e\sin M+{\frac {e^{2}}{2}}\sin 2M+{\frac {e^{3}}{8}}(3\sin 3M-\sin M)+\dots }
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