リッチ・ゴセージとは? わかりやすく解説

リッチ・ゴセージ

(グース・ゴセージ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/25 06:30 UTC 版)

リッチ・ゴセージ
Rich Gossage
2007年
基本情報
国籍 アメリカ合衆国
出身地 コロラド州コロラドスプリングス
生年月日 (1951-07-05) 1951年7月5日(73歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
217 lb =約98.4 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 1970年 ドラフト9巡目
初出場 MLB / 1972年4月16日
NPB / 1990年7月4日
最終出場 MLB / 1994年8月8日
NPB / 1990年10月10日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
殿堂表彰者
選出年 2008年
得票率 85.82%
選出方法 BBWAA[:en]選出

リチャード・マイケル・ゴセージRichard Michael "Goose" Gossage, 1951年7月5日 - )は、アメリカコロラド州コロラドスプリングス出身の元プロ野球選手投手)。右投右打。愛称は「グース」(ガチョウの意)。

1970年代後半から1980年代前半のMLBを代表するクローザー。強力な速球と強面な顔を武器に活躍した。日本の福岡ダイエーホークスにも在籍した経験がある。

来歴・人物

1970年シカゴ・ホワイトソックスからドラフト9巡目(全体204位)で指名され契約し、1972年にメジャーデビュー。1975年クローザーに定着し、62試合の登板で9勝8敗26セーブ、防御率1.84を記録。オールスター初出場。翌1976年は先発に転向したものの9勝17敗と大きく負け越し、シーズン終了後ピッツバーグ・パイレーツに移籍。パイレーツで再びクローザーとなり、72試合の登板で11勝9敗26セーブ、防御率1.62。シーズン終了後ニューヨーク・ヤンキースに移籍。

ヤンキースでは6年間クローザーを務め、移籍1年目の1978年ワールドシリーズ制覇。セットアッパーのロン・デービスと共にヤンキースのブルペンを担った。1980年には64試合の登板で6勝2敗33セーブ、防御率2.27の成績で、MVPの投票ではジョージ・ブレットレジー・ジャクソンに次ぐ3位、サイ・ヤング賞の投票でも3位に入った。

1984年からサンディエゴ・パドレスシカゴ・カブスサンフランシスコ・ジャイアンツと渡り歩き、1989年シーズン途中にヤンキースに復帰するが、シーズン終了後自由契約となった。

1990年福岡ダイエーホークスの春季キャンプで入団テストを受け不合格となるも、クローザー不在のチーム状況から再び入団テストが行われ、7月2日に急遽入団(支配下選手登録は6月)。39歳目前であったものの、当時MLB歴代2位の通算307セーブという実績から期待された。しかし、初登板となった7月4日の対近鉄バファローズ戦では8回裏に第1打者のジム・トレーバー本塁打を打たれるなど打ち込まれ、対西武ライオンズ戦ではバント攻めに遭いクイックモーションの遅さを突かれるなど、シーズンを通して苦戦。最終的に2勝3敗8セーブ、防御率4.40に終わり、同年限りで解雇された。

1991年テキサス・レンジャーズでメジャーに復帰し、中継ぎ・抑えで44試合に登板し4勝2敗1セーブ。その後オークランド・アスレチックスシアトル・マリナーズでプレーし、1994年シーズン後に引退。1993年8月、ボールのバッグにつまずいて転倒し手首を骨折したのが引退の直接の原因といわれる。

2000年野球殿堂入り資格取得。2006年は54票足りず落選。2007年は21票足りず落選した。同年、有資格1年目で殿堂入りを果たしたパドレス時代のチームメイトトニー・グウィンから「グース(ゴセージの愛称)が落選して失望している」と気遣われた。2008年に85.8%(466票)を獲得し念願の殿堂入りを果たした。日本プロ野球でのプレー経験者としては、ラリー・ドビーに続き史上2人目の殿堂入りとなる。

MLBを騒がせている薬物疑惑に対しては「同じ状況に置かれても、私なら薬物に手を出さないとは言わない。だが、私ならきちんとした報いを受ける」と述べている。殿堂入りも薬物使用が確実視されるマーク・マグワイアへの票が彼に流れたという側面もあった。

選手としての特徴

1978年MLBオールスターゲームで記録した最速103mph(約165.8km/h)の直球[1]を武器に、ワインドアップから繰り出すアーム式の威圧感のあるサイドスロー気味のスリークォーターフォーム・重い球質は右打者には打ちにくい。球種・直球とスライダー、フォーク、チェンジアップ。しかし、制球・スタミナに課題があった。それだけでなく投げた後に極端に体が1塁側に流れる癖がありバントなどの小技に弱く、フィールディングにも難があった。

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
1972 CWS 36 1 0 0 0 7 1 2 -- .875 352 80.0 72 2 44 3 4 57 7 0 44 38 4.28 1.45
1973 20 4 1 0 0 0 4 0 -- .000 232 49.2 57 9 37 2 3 33 6 0 44 41 7.43 1.89
1974 39 3 0 0 0 4 6 1 -- .400 397 89.1 92 4 47 7 2 64 2 1 45 41 4.13 1.56
1975 62 0 0 0 0 9 8 26 -- .529 582 141.2 99 3 70 15 5 130 3 0 32 29 1.84 1.19
1976 31 29 15 0 1 9 17 1 -- .346 956 224.0 214 16 90 3 9 135 6 0 104 98 3.94 1.36
1977 PIT 72 0 0 0 0 11 9 26 -- .550 523 133.0 78 9 49 6 2 151 2 0 27 24 1.62 0.95
1978 NYY 63 0 0 0 0 10 11 27 -- .476 543 134.1 87 9 59 8 2 122 5 0 41 30 2.01 1.09
1979 36 0 0 0 0 5 3 18 -- .625 234 58.1 48 5 19 4 0 41 3 0 18 17 2.62 1.15
1980 64 0 0 0 0 6 2 33 -- .750 401 99.0 74 5 37 3 1 103 4 0 29 25 2.27 1.12
1981 32 0 0 0 0 3 2 20 -- .600 173 46.2 22 2 14 1 1 48 1 0 6 4 0.77 0.77
1982 56 0 0 0 0 4 5 30 -- .444 356 93.0 63 5 28 5 0 102 1 0 23 23 2.23 0.98
1983 57 0 0 0 0 13 5 22 -- .722 367 87.1 82 5 25 5 1 90 0 0 27 22 2.27 1.23
1984 SD 62 0 0 0 0 10 6 25 -- .625 412 102.1 75 6 36 4 1 84 2 2 34 33 2.90 1.08
1985 50 0 0 0 0 5 3 26 -- .625 308 79.0 64 1 17 1 1 52 0 0 21 16 1.82 1.03
1986 45 0 0 0 0 5 7 21 -- .417 281 64.2 69 8 20 0 2 63 4 2 36 32 4.45 1.38
1987 40 0 0 0 0 5 4 11 -- .556 217 52.0 47 4 19 6 0 44 2 0 18 18 3.12 1.27
1988 CHC 46 0 0 0 0 4 4 13 -- .500 194 43.2 50 3 15 5 3 30 3 2 23 21 4.33 1.49
1989 SF 31 0 0 0 0 2 1 4 -- .667 182 43.2 32 2 27 3 0 24 2 0 16 13 2.68 1.35
NYY 11 0 0 0 0 1 0 1 -- 1.000 56 14.1 14 0 3 1 1 6 1 0 6 6 3.77 1.19
'89計 42 0 0 0 0 3 1 5 -- .750 238 58.0 46 2 30 4 1 30 3 0 22 19 2.95 1.31
1990 ダイエー 28 0 0 0 0 2 3 8 -- .400 196 47.0 43 5 15 2 0 40 2 0 24 23 4.40 1.23
1991 TEX 44 0 0 0 0 4 2 1 -- .667 167 40.1 33 4 16 1 3 28 3 0 16 16 3.57 1.21
1992 OAK 30 0 0 0 0 0 2 0 -- .000 163 38.0 32 5 19 4 2 26 0 0 13 12 2.84 1.34
1993 39 0 0 0 0 4 5 1 -- .444 213 47.2 49 6 26 2 1 40 4 0 24 24 4.53 1.57
1994 SEA 36 0 0 0 0 3 0 1 -- 1.000 197 47.1 44 6 15 1 3 29 2 0 23 22 4.18 1.25
MLB:22年 1002 37 16 0 1 124 107 310 -- .537 7506 1809.1 1497 119 732 90 47 1502 63 5 670 605 3.01 1.23
NPB:1年 28 0 0 0 0 2 3 8 -- .400 196 47.0 43 5 15 2 0 40 2 0 24 23 4.40 1.23
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



投手(P)












タイトル

表彰

記録

MLB
NPB

背番号

  • 54(1972年 - 1994年)

脚注

  1. ^ 10 moments that define Goose Gossage's career” (英語). MLB.com. 2024年10月21日閲覧。

関連項目

外部リンク





固有名詞の分類

アメリカ合衆国の野球選手 スタンリー・パリス  ジャスティン・マスターソン  リッチ・ゴセージ  マシュー・キニー  ボブ・ファーガソン
福岡ソフトバンクホークス及びその前身球団の選手 脇坂浩二  南貴樹  リッチ・ゴセージ  有馬翔  鳥越裕介
ニューヨーク・ヤンキースの選手 ディオン・サンダース  ジェイク・ウエストブルック  リッチ・ゴセージ  テリー・ウィットフィールド  ダレル・メイ
アメリカ野球殿堂 トム・シーバー  ボビー・ドーア  リッチ・ゴセージ  フアン・マリシャル  ホセ・メンデス
シカゴ・カブスの選手 マーロン・バード  ヘクター・クルーズ  リッチ・ゴセージ  ボブ・ファーガソン  スコット・ダウンズ
オークランド・アスレチックスの選手 ランディ・レディ  エイドリアン・ギャレット  リッチ・ゴセージ  クリフ・ペニントン  ホセ・オーティズ
シカゴ・ホワイトソックスの選手 アーロン・マイエット  トム・シーバー  リッチ・ゴセージ  ジョシュ・フォッグ  カルロス・カスティーヨ
サンフランシスコ・ジャイアンツの選手 ヘクター・クルーズ  エリザー・アルフォンゾ  リッチ・ゴセージ  マシュー・キニー  フアン・マリシャル
サンディエゴ・パドレスの選手 アル・バンブリー  エリザー・アルフォンゾ  リッチ・ゴセージ  ランディ・ジョーンズ  ジェイソン・ベイ
ピッツバーグ・パイレーツの選手 デュアネル・サンチェス  バーノン・ロー  リッチ・ゴセージ  ボブ・ファーガソン  ルイス・クルーズ
テキサス・レンジャーズ及びその前身球団の選手 マーロン・バード  アーロン・マイエット  リッチ・ゴセージ  R.A.ディッキー  ブラディミール・ゲレーロ
シアトル・マリナーズの選手 ブレット・ブーン  ホセ・クルーズ・ジュニア  リッチ・ゴセージ  R.A.ディッキー  ジム・アッカー

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