グリーゼ581bとは? わかりやすく解説

グリーゼ581b

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/05 06:14 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
グリーゼ581b
Gliese 581b
グリーゼ581bの想像図
星座 てんびん座
分類 太陽系外惑星
ホット・ネプチューン
発見
発見日 2005年8月22日
発見者 X. Bonfils et al.
発見方法 ドップラー分光法
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  15h 19m 26.823s[1]
赤緯 (Dec, δ) −07° 43′ 20.21″[1]
固有運動 (μ) 赤経: -1227.67 ミリ秒/[1]
赤緯: -97.78 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 159.28 ± 1.32ミリ秒[1]
(誤差0.8%)
距離 20.5 ± 0.2 光年[注 1]
(6.28 ± 0.05 パーセク[注 1]
軌道要素と性質
軌道の種類 周回軌道
軌道長半径 (a) 0.04061 ± 0.00003 au[2]
離心率 (e) 0.031 ± 0.014[3]
公転周期 (P) 5.3685 ± 0.00009 [3]
軌道傾斜角 (i) ≥30°[4]
近点引数 (ω) 251 ± 26°[3]
準振幅 12.65 ± 0.18 m/s[3]
グリーゼ581の惑星
物理的性質
半径 0.3684 RJ[5][注 2]
質量 ≥15.8 ± 0.3 M[2]
別名称
別名称
GJ 581 b
Gl 581 b
てんびん座HO星b
HIP 74995 b
BD-07 4003 b
ウォルフ562b
2MASS J15192689-0743200 b
TYC 5594-1093-1 b
Template (ノート 解説) ■Project

グリーゼ581b (: Gliese 581b) は、地球から見ててんびん座の方向に約20光年離れた位置にある赤色矮星グリーゼ581の周りを公転するホット・ネプチューン型の太陽系外惑星である[6][7]

発見

この惑星は、ミシェル・マイヨールフランススイス天文学者のチームによって発見され、当時見つかっていたうちで最も小さい太陽系外惑星として2005年11月30日に公表された。赤色矮星の周囲を公転している太陽系外惑星としては、グリーゼ876グリーゼ436以来、5つ目であった。

この惑星は、HARPSの装置を使って、恒星が揺れている様子が観測されたことから発見された。発見を報告する論文は、アストロノミー・アンド・アストロフィジックス誌のレター論文として発表された[8]

軌道と質量

グリーゼ581bは、最低でも地球質量の16倍、海王星と同程度の質量を持つ。恒星面をトランジットしないため、地球から見た軌道面の軌道傾斜角は88.1°以下と考えられている[9]。グリーゼ581恒星系の動力学シミュレーションによると、4つの惑星の軌道は共平面で、質量が下限の1.6倍から2倍を超えると不安定になると見積もられている。これは主に、惑星bと惑星eの位置が近いためである。このことより、グリーゼ581bの質量の上限は地球の30.4倍、海王星の1.77倍と推定される[4]

恒星グリーゼ581から約600万km(0.041天文単位)という近い軌道を公転し、軌道周期はわずか5.4日である。ちなみに、太陽系で最も内側を巡る水星は、太陽から5800万km(0.387天文単位)の軌道を88日間かけて公転している。

特徴

グリーゼ581bは、グリーゼ436bと質量、温度等の面で似ている。また、ともにコロナ質量放出の影響を受けている可能性がある。グリーゼ581bが恒星表面を通過しないため、これ以上のことは今のところ分かっていない。

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 相互比較参照モジュールなどから推定。

出典

  1. ^ a b c d e f SIMBAD Astronomical Database”. Result for GJ 581 b. 2017年6月10日閲覧。
  2. ^ a b Robertson, Paul; Mahadevan, Suvrath; Endl, Michael; Roy, Arpita (3 July 2014). “Stellar activity masquerading as planets in the habitable zone of the M dwarf Gliese 581”. Science 345: 440–444. arXiv:1407.1049. Bibcode2014Sci...345..440R. doi:10.1126/science.1253253. 
  3. ^ a b c d T. Forveille; et al. (2011-09-12). "The HARPS search for southern extra-solar planets XXXII. Only 4 planets in the Gl 581 system". arXiv:1109.2505v1 [astro-ph.EP]。
  4. ^ a b M. Mayor, X. Bonfils, T. Forveille, X. Delfosse, S. Udry, J.-L. Bertaux, H. Beust, F. Bouchy, C. Lovis, F. Pepe, C. Perrier, D. Queloz, N. C. Santos (2009). "The HARPS search for southern extra-solar planets XVIII. An Earth-mass planet in the GJ 581 planetary system". arXiv:0906.2780 [astro-ph]。
  5. ^ Gj 581 b”. Extrasolar Planet's Catalogue. 京都大学. 2017年6月10日閲覧。
  6. ^ Planet GJ 581 b”. 太陽系外惑星エンサイクロペディア. 2017年6月10日閲覧。
  7. ^ If There's Life on Alien Planet Gliese 581g, How Do We Find It?
  8. ^ Bonfils, X.; Forveille, T.; Delfosse, X.; Udry, S.; Mayor, M.; Perrier, C.; Bouchy, F.; Pepe, F. et al. (2005). “The HARPS search for southern extra-solar planets”. Astronomy & Astrophysics 443 (3): L15–L18. arXiv:astro-ph/0509211. Bibcode2005A&A...443L..15B. doi:10.1051/0004-6361:200500193. ISSN 0004-6361. 
  9. ^ López‐Morales, Mercedes; Morrell, Nidia I.; Butler, R. Paul; Seager, Sara (2006). “Limits to Transits of the Neptune‐Mass Planet Orbiting GJ 5811”. Publications of the Astronomical Society of the Pacific 118 (849): 1506–1509. arXiv:astro-ph/0609255. Bibcode2006PASP..118.1506L. doi:10.1086/508904. ISSN 0004-6280. 

外部リンク


グリーゼ581b

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 18:15 UTC 版)

グリーゼ581」の記事における「グリーゼ581b」の解説

質量地球16倍以上。グリーゼ581既知惑星の中では最も質量大きい。

※この「グリーゼ581b」の解説は、「グリーゼ581」の解説の一部です。
「グリーゼ581b」を含む「グリーゼ581」の記事については、「グリーゼ581」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「グリーゼ581b」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「グリーゼ581b」の関連用語

グリーゼ581bのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



グリーゼ581bのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのグリーゼ581b (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのグリーゼ581 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS