クロミズカキトビアオガエルとは? わかりやすく解説

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クロミズカキトビアオガエル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/08 15:24 UTC 版)

クロミズカキトビアオガエル
クロミズカキトビアオガエル R. nigropalmatus
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: カエル目 Anura
: アオガエル科 Rhacophoridae
: アオガエル属 Rhacophorus
: クロミズカキトビアオガエル R. nigropalmatus
学名
Rhacophorus nigropalmatus
Boulenger1895
和名
クロミズカキトビアオガエル
英名
Wallace's flying frog
アルフレッド・ラッセル・ウォレスの本『マレー諸島』にある本種の挿絵

クロミズカキトビアオガエル[1](黒水掻飛青蛙、学名: Rhacophorus nigropalmatus)は、アオガエル科アオガエル属(Rhacophorus)に分類されるカエルの1種で、空気抵抗を利用し滑空することができる。英名の翻訳でワラストビガエルまたはウォーレストビガエルで呼ぶこともある[2][3]

英名は生物学者探検家アルフレッド・ラッセル・ウォレスが初めて本種の標本を採集したことにちなむ。

分布

マレー半島ボルネオスマトラが主な生息地である[2]

ラオスベトナム中国南部にも類似種の発見例があるが、同種であるかどうかは今のところ不明である[4]

形態

本種の身体はやや扁平である。体長はおよそ80-100ミリメートルで、アオガエル属では最大の部類に入る。他のアオガエル類と同様、メスはオスより大型である。鼓膜が大きく、瞳孔は水平方向に長い。四肢は長く、の先端部が肥大化している。体色は光沢のある緑色で、腹面は白色か薄い黄色である。また、体の両側には黒い斑点が1つずつある。

特徴としては指の間には水かきのような皮膜がついている。また、四肢の間にも飛膜のような伸びた皮膜がある。指と水かきの外縁部は山吹色で、水かきの大部分は真っ黒である。種小名のnigropalmatus(黒い手のひら)はこれに由来する。

全体的にジャワトビガエル(Rhacophorus reinwardtii)と Rhacophorus kio に似ているが、本種は体長がより一回大きく、水かきも橙色っぽい色を呈していない。[5][2]

分類

デニスアオガエル(Rhacophorus dennysi)、Rhacophorus maximusRhacophorus feae は、かつて本種の亜種と見なされた時期がある。

生態

樹上棲で、交尾産卵の時以外はめったに地面に下りることはない。繁殖時にはスマトラサイヌタ場にしている水たまりを好む[2]

熱帯雨林の中で滑空して木から木へ移動する。危険を察知した時またはを探す時には、から飛び降りて四肢と指をのように大きく開いて飛ぶ。飛膜によって空気抵抗が大きくなるので、本種は近くにある他の木や地面へと滑空することができる。15メートルやそれ以上の距離を滑空した記録もある。指の先端部が大きく膨らんでいることから、木や地面に接触する時に衝撃を和らげることができる。また、この構造によって木登りする時にも滑りにくくなる[5][2]

食性は動物食で、主に昆虫類捕食する[6]。主な天敵は樹上棲のヘビである[7]

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク




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