クリエイターズ・ビル・オブ・ライツ
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「アメリカン・コミックスにおけるクリエイターの権利」の記事における「クリエイターズ・ビル・オブ・ライツ」の解説
1988年11月、デイヴ・シムを中心とする独立系の作画家と原作者の集団によりクリエイターズ・ビル・オブ・ライツ(英語版)(「クリエイターの権利宣言」を意味する。以下「宣言」)が起草された。クリエイターの権利を守り、職務著作の慣習による搾取に対抗するための文書であった。「宣言」で取り上げられた問題には、キャラクターとストーリーに対する作者クレジットの適正化、クリエイターへの利益配分、取次、契約の公平性の確保、利用許諾権、原画の帰属がある。シムの呼びかけを経て、マサチューセッツ州ノーサンプトンで開かれた「ノーサンプトン・サミット」において文言が確定し、列席者全員によって署名された。中心的な起草者はスコット・マクラウド(英語版)であった。制定にあたった作画家や原作者にはほかに、スティーヴ・ビセット(英語版)、ラリー・マーダー(英語版)、リック・ヴィーチ(英語版)、ピーター・レアド、ケヴィン・イーストマンらがいる。しかし後世には、起草者を含む著名なコミック関係者の多くが、「宣言」がそれ自体コミック界に大きな影響を与えることはなかったと評価している。 1990年、「宣言」に署名した一人であるケヴィン・イーストマンは、クリエイター本位の出版社であるツンドラ(英語版)を創業し、発行者の立場から理想を実現しようとした。イーストマンは発起人の一人として「宣言」を実践していく義務があると感じており、コミッククリエイターが著作権を保持したまま作品を出版できるように、クリエイターのための対話の場を提供した。しかしツンドラは1993年に倒産した。
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