クラスIプロモーター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 22:28 UTC 版)
「プロモーター」の記事における「クラスIプロモーター」の解説
クラスIプロモーターがコードするのはrRNA前駆体だけである。例外として、トリパノソーマという原核生物で発見された2種類の遺伝子はRNAポリメラーゼIによりタンパク質を発現する。そのため、1つのゲノムに何百とあるがその配列は全く同じ。しかし、生物種ごとの多様性は、配列要素をいくつも持つクラスIIプロモーターよりはるかに大きい。保存された配列は転写開始部位を囲むATが豊富なイニシエーター initiator:rINR だけしか確認されていない。 2つの離れた領域からなり、その一つのコアプロモーター core promoter は転写開始点の周辺-45~+20にある。rINR近くの配列を除くと、プロモーター中配列としては珍しくGCに富む。もう一つは-180~-107に位置する上流プロモーター配列(upstream promoter element、UPE)である。どちらもGCに富む配列により転写効率を左右する。取りうる塩基配列は幅広いものの、2つの配置は多くの真核生物で共通する。これらの領域を発見した錢澤南 Robert Tjian らはリンカースキャン変異導入解析を用いてヒトにおける2つの距離の重要性を証明した。間の塩基配列をわずか16bp取り除いただけで、プロモーター活性は野生型の40%まで低下した。44bpならたったの10%に落ち込んだ。一方、28bp長くしても活性に変化はなかった。49bpまで加えて70%になった。プロモーター効率はDNAの除去に大きな影響を受けるようだ。
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