クシロムカシバク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/21 06:15 UTC 版)
クシロムカシバク | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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保全状況評価 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
絶滅(化石) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
地質時代 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
始新世後期 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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シノニム | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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クシロムカシバク(Plesiocolopirus kushiroensis)は、新生代・中期始新世(約3,800万年前のバートニアン)の日本列島に生息したバクの化石種である[1]。
分類
種小名の「クシロエンシス(kushiroensis)」は、ホロタイプが発見された釧路地方に由来する[注釈 1]。
1968年に地元の中学生が釧路町十町瀬の浦幌層群(昆布森村の付近[2])の天寧層から上顎の一部と歯の化石を発見した[1][3]。日本国内における中期始新世の化石哺乳類の標本は限定的であるが、この発見では上あごと歯が得られているなど貴重性が高いものであった[4]。当該標本はその後は釧路市立博物館に収蔵されていたが、1983年に新種の化石バクとして国立科学博物館の冨田幸光[5]によって記載された。
当初はコロドン属である(C. kushiroensis)と見なされていたが[1]、1989年にプレシオコロピルス属(Plesiocolopirus)が提唱されると、1994年に同属に移された。
特徴
形態は同属の Plesiocolopirus hancocki に類似するが、大きさは P. hancocki よりも約40%ほど大型であると推定される。
北米大陸産の種類との形態上の類似性から、ベーリング地峡を介してユーラシア大陸に到達し、そこからサハリンを経由した陸橋を伝って北海道に渡来したと考えられる[1]。日本列島以外の厳密な分布は判明していない。
関連項目
- プレシオタピルス - 日本列島から発見されている中新世のバクの属。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e “クシロムカシバク”. 地域観光資源の多言語解説文データベース(国交省). 2025年7月19日閲覧。
- ^ kikuchi (2008年3月13日). “驚くべき発見!クシロムカシバク 地域力発見講座第一講”. 北海道中小企業家同友会・釧根事務所. 2025年7月19日閲覧。
- ^ 「厚岸霧多布昆布森国定公園(仮称)指 定 書(環境省原案)」『厚岸霧多布昆布森国定公園指定書』、環境省、3頁、2025年7月19日閲覧。
- ^ “1-2~5 釧路の大地”. 釧路市立博物館(釧路市) (2022年10月19). 2025年7月19日閲覧。
- ^ 川端裕人「第4回 「原始的」ではなかったアマミノクロウサギ」『ナショナル ジオグラフィック』2014年7月17日、2025年7月19日閲覧。
参考文献
- クシロムカシバクのページへのリンク