ガンマ関数に対するスターリングの公式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 22:01 UTC 版)
「スターリングの近似」の記事における「ガンマ関数に対するスターリングの公式」の解説
すべての正の整数に対して、 n ! = Π ( n ) = Γ ( n + 1 ) {\displaystyle n!=\Pi (n)=\Gamma (n+1)} が成り立つ。ここで Γ はガンマ関数を表す。 しかしながら、パイ関数(英語版) Π ( z ) = Γ ( z + 1 ) {\displaystyle \Pi (z)=\Gamma (z+1)} は、階乗とは異なり、より広く、正でない整数を除いてすべての複素数に対して定義される。それにもかかわらず、スターリングの公式をなお適用することができる。Re z > 0 であれば log Γ ( z ) = ( z − 1 2 ) log z − z + 1 2 log 2 π + 2 ∫ 0 ∞ arctan ( t / z ) e 2 π t − 1 d t {\displaystyle \log \Gamma (z)=\left(z-{\tfrac {1}{2}}\right)\log z-z+{\tfrac {1}{2}}\log 2\pi +2\int _{0}^{\infty }{\frac {\arctan(t/z)}{e^{2\pi t}-1}}\,dt} が成り立つ。部分積分を繰り返すことで次が得られる log Γ ( z ) ∼ ( z − 1 2 ) log z − z + 1 2 log 2 π + ∑ n = 1 ∞ B 2 n 2 n ( 2 n − 1 ) z 2 n − 1 . {\displaystyle \log \Gamma (z)\sim \left(z-{\tfrac {1}{2}}\right)\log z-z+{\tfrac {1}{2}}\log 2\pi +\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {B_{2n}}{2n(2n-1)z^{2n-1}}}.} ここで Bn は n 番目のベルヌーイ数である。(無限和は収束しないので、この公式は漸近展開にすぎないことに注意する。)公式はεを正数として |arg z| < π − ε であるときに絶対値の十分大きい z に対して成り立つ。公式の右辺に現れる級数はスターリング級数と呼ばれる。最初の m 項が使われるとき誤差項は O ( z − 2 m − 1 ) {\displaystyle O(z^{-2m-1})} である。対応する近似は Γ ( z ) = 2 π z ( z e ) z ( 1 + O ( 1 z ) ) {\displaystyle \Gamma (z)={\sqrt {\frac {2\pi }{z}}}~{\left({\frac {z}{e}}\right)}^{z}\left(1+O\left({\frac {1}{z}}\right)\right)} のように書ける。この漸近展開のより進んだ応用は Re z が定数の複素変数 z に対してである。例えば直線 1/4 + it 上でリーマン・ジーゲルテータ関数(英語版)の Im z において適用されたスターリングの公式を見よ。
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