ガスガン時代の幕開け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 15:28 UTC 版)
「MGC (トイガンメーカー)」の記事における「ガスガン時代の幕開け」の解説
M93Rは新たなユーザー層を拡大したものの安全面、コストへの配慮から玩具然とした見た目だったため、リアルさを求めるユーザーの声も同時に高まっていった。スライドも動かず、丸い弾を発射するだけのガスガンは時に「銀玉鉄砲」と揶揄されていた。MGCはまず質感向上の為に固定スライドながらモデルガン譲りのリアルな形状を持ち、金属部品で重量を稼いだS&W M459/659シリーズなどを順次リリースした。当時のガスガン機構はバルブ放出の為にダブルアクションでなければ成立せず、またガス容量を確保する為にダブルカラムのような太いグリップ周りの銃種が採用される傾向にあった。よってガバメントシリーズはガスガン化が困難とされていたが、人気が高いモデルであるためMGCにおいても商品化は必須であると考えていた。そこでMGCが考案したのがハレットシングルアクションなる変則ダブルアクション機構である。ハンマーのフルコック状態が通常ポジションとなり、トリガーを弾いた時のみハンマーダウンしバルブ放出を行い、再びハンマーはフルコック状態に戻るという動きとなる。この機構は特性上、トリガーストロークを長く取る必要があるためにロングトリガーとなってしまう。よってロングトリガーでも雰囲気を損なわないマッチカスタムが選択され、MGC初のガバメント系ガスガンとしてウィルソンLE (GM6) が発売された。シングルサイズのマガジンはガス容量が稼げなかったものの装弾数を多くしない事で対応した。GM6系ガスガンはジャパンビアンキカップに新設されたエアソフトガン部門で多数の参加者が使用する事となり、アフターマーケットパーツも充実していた。そしてS&W M645にはライフリング入りインナーバレル「サイクロンバレル」を採用するなど新技術も相次いで世に送り出した。パワーソースにのみフロンガスを利用し、その他の部分を電動で行う独創的な機構のH&K MP5Kも発売された。こうしてガスガン路線が軌道に乗ったMGCはモデルガン全盛時代の勢いを取り戻した。 ライフル・サブマシンガンクラスでは、アサヒファイアーアームズ/JACタイプの発射機構を採用したベレッタM12SペネトレーターとS&W M7インターセプター、オリジナルの機構を採用したM16シリーズを展開したものの、パワーを業界の自主規制値にあわせ続けたため、サバイバルゲームでの使用が主目的のユーザーからは支持を得る事が出来ず、決して成功したとは言えない結果に終わった。末期にU.S.M1カービンのガスブローバックモデルを発表したが、実現はしなかった。
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