カール・クラウス_(作家)とは? わかりやすく解説

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カール・クラウス (作家)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/09 09:55 UTC 版)

カール・クラウス
カール・クラウスの生家に飾られている銘板

カール・クラウス(Karl Kraus, 1874年4月28日 ボヘミア・ギッチン Gitschinチェコイチーン Jičín) - 1936年6月12日 ウィーン)はオーストリア作家ジャーナリストモラヴィア出身のユダヤ人ウィーン世紀末文化の代表者。

1899年、闘争的な評論雑誌Die Fackel (火(「炬火」とも))」を創刊、編集を行う。同誌は1912年以降はクラウスの個人誌となり、彼が亡くなる1936年まで中断を挟みつつも刊行が続けられた。権力や社会、文化に対する辛辣な批判と笑いによって、当時のウィーンに大きなインパクトを与えたとされる。

風刺的な時代批判を含む詩・随筆などは、厭世観を示すともいわれる。1922年刊行の全5幕の戯曲『人類最後の日々』は、第一次世界大戦を当時の資料に基づいてドキュメンタリー風に再現したもので、現代政治・寓話劇の先駆的作品の一つとなった。本作にはハンス・アイスラーが曲を付けたが、あまりに長大なため完全な形で上演されたことはない。1933年にはナチスを批判する『第三のワルプルギスの夜』を完成したが、生前は極一部の発表に留まり、出版は死後の1952年となった。

執筆活動と共に公開朗読会を開き、その回数は700回に及んだ(ごく一部は録音されて今日に残されている)。

1936年2月、自転車にはねられたのが元で体調を崩し、通算700回目の朗読会を開いた後に心臓発作と脳障害で死去。ウィーン中央墓地に埋葬された。「火」は、事故直前に刊行された922号が最終号となった。

主な作品

日本語訳

  • 『著作集』(未完結)
    • 『カール・クラウス著作集 5 アフォリズム』(池内紀 編訳、法政大学出版局、1978年)、ISBN 4-588-12065-4
    • 『カール・クラウス著作集 6 第三のワルプルギスの夜』(佐藤康彦 他訳、1976年、法政大学出版局)、ISBN 4-588-12066-2
    • 『カール・クラウス著作集 7・8 言葉』(武田昌一 他訳、法政大学出版局、1993年3月)、ISBN 4-588-12067-0
    • 『カール・クラウス著作集 9 人類最後の日々(上)』(池内紀 訳、法政大学出版局、1971年)、普及版2016年、ISBN 4-588-49034-6
    • 『カール・クラウス著作集 10 人類最後の日々(下)』(池内紀 訳、法政大学出版局、1971年)、普及版2016年、ISBN 4-588-49035-4
  • 『モラルと犯罪』(小松太郎訳、法政大学出版局〈叢書ウニベルシタス〉、1970年)、ISBN 4-588-00016-0
  • 『黒魔術による世界の没落』(山口裕之、河野英二訳、現代思潮新社〈エートル叢書〉、2008年)、ISBN 4-329-01018-6

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関連項目

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