カノン法の内容
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/09 18:05 UTC 版)
カトリック教会は、カノン法の制定・執行を、一般世俗の権力から独立して、教会内部で行っている。カトリック教会は、キリストによって造られたものであり、ローマ教皇は、キリストの代理者であって、信者の代表ではないので、その統治構造ないし構成は民主主義とは無縁である。ローマ教皇は、立法権を有するが、司法権も有しており、カトリック教会の統治構造には国家法における三権分立のような制度もない。カノン法は、国家法におけるような強制力を背景とするものではなく、信者の自発的な同意を背景とするものであり、教会は権力を行使せず、権威によって統治をするのである。 カノン法の内容は、カトリック教会の任務に対応しておおよそ三つに分けることができる。その1は、人々の聖化に関するもの、その1は、教義を正しく伝えることに関するもの、その1は、教会の構成員を治めることに関するものである。人々の聖化に関するものについては、七つの秘跡、すなわち、洗礼、堅信、聖体、ゆるし、病者の塗油、叙階、婚姻についての規定がある。教義を正しく伝えることに関するものについては、聖書と聖伝の解釈についての規定である。教会の構成員を治めることに関するものについては、信者としての権利義務、教会の構成及び統治体制、制裁、裁判制度についての規定であり、主に教会法典で定められており、国家の法とその内容が類似する部分も多い。
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