カテゴリーミステイク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 04:07 UTC 版)
「なぜ何もないのではなく、何かがあるのか」の記事における「カテゴリーミステイク」の解説
詳細は「カテゴリーミステイク」を参照 この問いをカテゴリーミステイクとして棄却する考えがある。すなわち、個々のものが存在していることに原因があるからといって、それをあわせた世界全体が存在していることにも原因があることにはならない、という考えである。たとえば20世紀のイギリスの哲学者バートランド・ラッセル(1872年 - 1970年)は次のような主張を行った。「どんな人間にも母にあたる人がいる」ということが正しいとしても、「すべての人間の母にあたる人がいる」は正しくない(地球上にいるすべての人間を一人で出産した女性はいない)。これと同様に、「個々の事物には存在していることの理由がある」が正しくとも、「事物全体が存在していることの理由がある」が正しいとは言えないのだ、と。このことは論理式で表すと次のようになる。ある集合 S {\displaystyle S} に属する事物を x {\displaystyle x} 、説明を e {\displaystyle e} 、 e {\displaystyle e} が x {\displaystyle x} について説明を与えることを e E x {\displaystyle eEx} と表すとき、次の上段の式が正しい場合でも、下段の式が正しいとは限らない。 ( ∀ x ∈ S ) ( ∃ e ) e E x {\displaystyle (\forall x\in S)(\exists e)eEx} 式の意味:どんな事物xに対しても、それぞれ何らかの説明eが存在し、そのeがxの存在を説明する ( ∃ e ) ( ∀ x ∈ S ) e E x {\displaystyle (\exists e)(\forall x\in S)eEx} 式の意味:何らかの説明eが存在し、どんな事物xに対しても、そのeがxの存在を説明する
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