オゾン層の現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/10 07:17 UTC 版)
このままオゾン層が破壊され地表に有害な紫外線が増えると、皮膚がんや結膜炎などが増加すると考えられている。紫外線のUV-Bは、皮膚がんのうち特に有棘細胞癌の主因の1つであることが知られているほか、白内障の原因の1つでもあり紫外線量と白内障有病率・進行度の有意な関係を示す疫学的研究もある。気象庁の観測によると、日本上空においても、オゾンの減少傾向が確認されている。しかし近年になってフロンガスの全世界的な使用規制が功を奏したとみられ、徐々にではあるがオゾンの減少に歯止めがかかってきており、問題は解決されつつある。 なお、「これまでに放出されたフロンが成層圏に届くまでには数十年かかるので、オゾン層破壊はこれから更に進行する」というのは誤解である。実際、対流圏でフロン濃度が最大になってから成層圏でフロン濃度が最大になるまでに要する時間は、3〜4年程度である。一方、最近の研究によると、オゾン層の厚さは年によって違っており、その要因として季節変動やQBO、南極振動などとの関連が指摘されている 成層圏ではオゾン分子や酸素分子が紫外線を吸収する光化学反応によって大気が加熱され、それと大気自身が放出する赤外放射とが釣り合うことで気温が決まっているが、近年、成層圏では上空に放射される赤外放射の増加により対流圏とは逆に気温の低下が報告されている。
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