ドブソン単位とは? わかりやすく解説

ドブソン単位

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/25 06:35 UTC 版)

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ドブソン単位
Dobson unit
記号 DU
オゾンの量
定義 大気中のオゾンを標準状態の地表に集めたとき、厚さが0.01mmになるオゾンの量
語源 ゴードン・ドブソン
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ドブソン単位(ドブソンたんい、英語: Dobson unit)は、地表から大気圏上限までの気柱に含まれるオゾンを、すべて標準状態(1気圧、0)の地表に集めたと仮定したときの厚さ1 mmを100ドブソン単位 (D.U.) とする数量単位[1]。またm atm-cmと記すこともあるが、これは厚さのセンチメートル数を1,000倍したものに当たるからである。[2]

例えば300 D.U.のオゾンであれば、0℃の地表に集めたとき厚さ3 mmの層ができることになる。1 D.U.のとき、1平方センチメートルあたり2.69×1016個のオゾン分子(1平方メートルあたり2.69×1020個)が存在することになる。すなわち1平方メートルあたり0.4462ミリモルのオゾンである[3]

220 D.U.を下回るとオゾンホールが発生したとみなされる。これは、南極大陸上空の観測記録によれば1979年まで220 D.U.を下回る値は観測されなかったためである。そして、南極大陸上空の直接観測によれば、気柱オゾンレベルが220 D.U.以下を下回るのは塩素臭素の化合物によりオゾンが破壊されるためである[4]

ドブソン単位の名称はオックスフォード大学の研究者であったゴードン・ドブソンに由来する。1920年代にドブソンは地表からオゾンの総量を測定する装置を初めて開発したが、この装置は今日ではドブソン分光光度計とかドブソンメーターと呼ばれている。

脚注

  1. ^ 中根英昭, 「オゾン層の現状とオゾン層研究」『科学技術動向』 2004年10月号, ISSN 1349-3663, 科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター。
  2. ^ IUPAC, Compendium of Chemical Terminology, 2nd ed. (the "Gold Book") (1997). オンライン版:  (2006-) "Dobson unit in atmospheric chemistry".
  3. ^ S. E. Schwartz; P. Warneck (1995). “Units for use in atmospheric chemistry”. Pure Appl. Chem. 67 (8-9): 1377-1406. doi:10.1351/pac199567081377. http://www.iupac.org/publications/pac/67/8/1377/. 
  4. ^ Ozone Hole Watch”. NASA. 2007年10月21日閲覧。

外部リンク


ドブソン単位

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オゾン層」の記事における「ドブソン単位」の解説

詳細は「ドブソン単位」を参照 地球上のある地点における大気中のオゾン量を表す単位としてドブソン単位(ドブソンたんい、Dobson units)がしばしば用いられる。これは計測地点における地上から上空までの大気中に存在するオゾン集積して0℃、1気圧の状態に換算した時の厚さとして表現される。これが1cm厚さであれば 1 atmcm であるが、通常はこの1/1000である m atmcm(ミリアトムセンチメートル)を用い、これをドブソン単位とよび DU と略することもある。 オゾン量は緯度、あるいは季節などにも大きく左右されるが、赤道付近で約250 DU少なく、中〜高緯度地域では300450 DU程度となる。極地域オゾンホール生成した場合中心部100 DU程度になることもある。

※この「ドブソン単位」の解説は、「オゾン層」の解説の一部です。
「ドブソン単位」を含む「オゾン層」の記事については、「オゾン層」の概要を参照ください。

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