オゾンの減少と温暖化の関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/14 09:30 UTC 版)
「地球温暖化の原因」の記事における「オゾンの減少と温暖化の関係」の解説
(注:この節の内容は、IPCC第4次評価報告書の評価結果がまだ反映されていない可能性があります。) 「オゾン層を破壊する」という理由により使用禁止もしくは使用制限されたフロン系ガス(代替フロンを含む)も温室効果ガスであり、その放射強制力は0.34±0.03W/m2、もしくは温室効果ガスのトータルの放射強制力の14%と見積もられている。ただし、オゾン層減少による地球温暖化への影響量はさほど大きくないとされている。 オゾン層破壊と地球温暖化の関係についてはいくつかの相反する影響が考えられている。 二酸化炭素の放射強制力による温暖化は、おそらく成層圏を寒冷化させると予想される。一方この効果は、相対的にはオゾン層を減少させオゾンホールの発生頻度を増加させる。 逆にオゾンの減少は、気候システムで正の放射強制力を示す。 これについては、オゾンの減少は太陽放射をより通過させ対流圏を暖める効果と、寒冷化した成層圏が長周波の放射を減少させ対流圏を冷却するという、対立する効果がある。この結果、全体的に見ればオゾン層の減少によって寒冷化が進むことになる、つまりオゾンホールには南極の温暖化を抑制してきたという一面もある。南極のオゾンホールの縮小が、南半球の温暖化を加速する可能性があるとされる。IPCCは「過去20年観測された成層圏のオゾンの減少は、表層対流圏システムでは負の強制力 となる」と結論付け、その値はおよそ-0.15±0.W/m2と見積もられている。 また、フロンガスによるオゾン層破壊を防ぐために代替フロンであるハイドロフルオロカーボン(HFC)が使われるが、この物質には強い温室効果があることが分かり、アンモニアなどのノンフロンの冷媒を使うことが求められている。
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