オクシデンタリズムとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 00:52 UTC 版)
「オリエンタリズム」の記事における「オクシデンタリズムとの関係」の解説
詳細は「オクシデンタリズム」を参照 「オクシデンタリズム(Occidentalism)」または「逆オリエンタリズム(reverse Orientalism)」とは、オリエンタリズムの片割れ。オクシデンタリズムは「反西洋思想」とも訳されるものであり、西洋の「敵」によって描かれる「非人間的な西洋像」を指す。これは「殺人的な憎悪」であり、憎悪が向かう先は ―― 特定の政策や国家ではなく ―― 特定の生き方・社会・政治の在り方(大都会・貿易・商業・懐疑主義・合理主義・個人の自由等)になっている。オクシデンタリズムの敵意が向けられる代表例は、 「都市」:「尊大、貪欲、軽薄で退廃的な根無しのコスモポリタニズム(世界主義)に彩られた」都市 「ブルジョア階級」:「自らを犠牲にする英雄とは正反対に、自己保身に走る」階級 「西洋的考え」:「科学と理性に裏付けられた」考え 「不信心者たち」:「純粋な信仰世界のために倒されなければならない」者たち となっている。 ただしオクシデンタリズムは、「凶暴な憎悪と強い憧れがいかに密接に繋がっているか」を示してもいる。元来の「オクシデンタリズム」は西洋精神・西洋文化、西洋趣味、西洋気質、西洋崇拝、西洋に関する学究的な知識等を指す。 いずれにしてもオクシデンタリズムは、綿密な西洋理解ではない。何故ならオリエンタリズムに見られる、人間から人間らしさを取り除こうとする傾向が、オクシデンタリズムの中にもあるためである。オリエンタリズム的偏見の中には、非西洋人は完全な人間ではなく未成熟的で、自分たちよりも劣った人種として扱えるという前提があった。オクシデンタリズムもオリエンタリズムと同様、相手を人間未満に過小評価する傾向があり、オリエンタリズムをそのまま鏡で逆写ししたものと言える。
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