オオヤマハコベ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/27 10:26 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動オオヤマハコベ | ||||||||||||||||||||||||
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福島県浜通り地方 2017年8月
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Stellaria monosperma Buch.-Ham. ex D.Don var. japonica Maxim.[1] | ||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
オオヤマハコベ(大山繁縷)[3] |
オオヤマハコベ(大山繁縷、学名:Stellaria monosperma var. japonica)は、ナデシコ科ハコベ属の多年草。インドなどに分布する、S. monosperma var. monosperma を分類上の基本種とする変種[3][4][5]。
特徴
茎は直立して高さは40-120cmになり、上部で分枝し、上部に腺毛がある。葉は対生し、葉身は披針形、卵状披針形、長楕円状披針形で、長さ4-12cm、幅1.5-3cmになり、先端は鋭頭から長鋭尖形で、基部はくさび形、縁は全縁でややしわがよって波打つ。長さ0.2-1.3cmになる短い葉柄があり、基部の茎部は節となってふくらむ。葉の表面に毛は無い[3][4][5]。
花期は8-10月。花の径は約1cm、上部の葉腋から大きな円錐状の集散花序をだし、多数頂生する。花柄は長さ3-12mmになり、腺毛があって、ふつう苞は小さい。萼片は5個、軟質で披針形になり、長さは3.5-5mm、先端が鋭尖形になり、背面に長さ3mmになる腺毛がある。花弁は白色で5個、萼片より明らかに短く、爪部が細く先は2中裂し、裂片はとがる。雄蕊は5個あり、花弁より長く、葯は黄白色になる。子房は胚珠3個を含み、卵球形になり、その上に3個の花柱がある。果実は萼片より短い卵形の蒴果となり、1種子を含み、裂開しない。種子は褐色になり、径約2.5mmの円形で、表面は平滑。他の2個の胚珠は不稔となる[3][4][5]。
分布と生育環境
日本では、本州(岩手県以南)、四国、九州に分布し、山地の夏緑林の林内、林縁や湿った林内に生育する[3][4][5]。国外では台湾、中国大陸(中部・南部)に分布する[4]。
名前の由来
和名オオヤマハコベは、「大山繁縷」の意で、「大型のヤマハコベ(山繁縷)」の意味[5]。
種小名(種形容語)monosperma は、「種子が一個の」の意味[5]。
ギャラリー
基本種
- 基本種(基準変種)Stellaria monosperma var. monosperma - は葉に葉柄が無く、葉の基部は茎を抱き、萼片は乾膜質となる。雄蕊は5個または10個あり、種子は径約3mmと大きく、表面に微小な突起かしわがある。インド、ヒマラヤ地域からアフガニスタンにかけて分布する[4]。
脚注
参考文献
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 4』、2017年、平凡社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
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