エコツーリズムの始まり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 19:14 UTC 版)
前述の作品をきっかけとして針江区には多くの観光客が押し寄せることとなったが、もともと針江区は観光地ではなかったため、多くの問題が発生することとなった。最大の問題となったのは、小さな集落の中を突然外部の人間が多数歩き回るようになったため、地区内の住人、特に子供が不安を覚えるようになったことであった。そこで、地区内の有志によってボランティア団体「針江生水の郷委員会(すなえしょうずのさといいんかい)」が設立され、ガイドツアーという形で地区内の川端を案内するようになった。すなわち、川端を観光資源としたエコツーリズムの始まりである。 一方、同地区でも番組放映当時には、ほとんどの家が川端を使わずに水道水を使っており、地区内の水路にもゴミが散乱しているような状況であった。しかし、外部から観光客が訪問するようになったことで、逆に川端や湧水の貴重さが見直され、多くの家が川端を復活させた。また、水路にゴミが捨てられるということも無くなった。2006年(平成18年)からは川端で洗剤を使用することも禁止された。 同地区でのエコツーリズム実践が評価された結果、主催団体「針江生水の郷委員会」に対し、環境省による「エコツーリズム大賞」が選出された。以下はその活動概要である。 家々に湧き出る水と家々の間を流れる水路を組み合わせて利用する「川端(かばた)」を中心に、地区を流れる針江大川やびわ湖に至るまで様々な水との関わり、針江地区全体を「針江里山水博物館」として紹介。町づくり委員会の一員として地域活性化に関わり、身近な自然環境の保全を促す機会づくりに取り組んでいる。
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