エウアンドロスの子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/04 04:20 UTC 版)
このパラースは、ローマの古王エウアンドロスとサビーニー人の女性との間に生まれた息子である。アイネイアースとともにトゥルヌスと戦った。 アイネイアースが無事にイタリアに到着したとき、ヘーラー(ローマ神話のユーノー)はエリーニュスの1人アレークトーを呼んで、イタリア人の間にアイネイアースへの敵意を掻き立てさせた。トゥルヌスをはじめとする多くの王たちがトロイアー人を攻撃せんと集結しているのを見たアイネイアースは、河神ティベリーヌスの勧めでエウアンドロスと同盟を結んだ。エウアンドロスは若いパラースに軍役を学ばせるため、アイネイアースの軍に息子を同行させ、双方にアルカディア騎兵の精鋭200を与えた。また出陣の際には息子の無事をゼウス(ローマ神話のユーピテル)に祈った。パラースは戦場ではラグス、ヒスボ、ステニウス、ロエトゥス、アンケモルス、双生児ラリーデスとテュンベル、テウトラス、かつてトロイア戦争でアガメムノーンのもとで戦ったハライソスを討つ活躍をした。パラースはさらに若い敵将ラウススと戦ったが、ユートゥルナの助言で駆けつけたトゥルヌスの槍で討たれた。パラースはトゥルヌスの投じた槍に胸を貫かれ、身体から槍を引き抜いたものの、絶命して大地の上に倒れた。トゥルヌスは勝ち誇り、ダナイデスの物語が刻まれた剣帯を奪い取った。残された遺体は楯に乗せられ、パラースの戦友たちによってエウアンドロスのもとに運ばれた。後に物語のラストシーンでアイネイアースはトゥルヌスを倒すが、命乞いをするトゥルヌスに対して、アイネイアースはトゥルヌスがパラースの剣帯を身に着けているのを発見し、パラースの死の悲しみを思い出したときに、激しい狂気と怒りからトゥルヌスに止めを刺した。
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