エウェ語とは? わかりやすく解説

エウェ語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/17 13:11 UTC 版)

エウェ語
Eʋegbe
話される国 ガーナ
トーゴ
ベナン
地域 ガーナ南東部、トーゴ南部、ベナン南西部
民族 エウェ人
話者数 500万人
言語系統
ニジェール・コンゴ語族
表記体系 ラテン文字
公的地位
公用語 トーゴ国語
ガーナの政府公認地域言語
言語コード
ISO 639-1 ee
ISO 639-2 ewe
ISO 639-3 ewe
グベ語群の分布図。エウェ語は黄色で示されている。
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エウェ語 (エウェ語: Eʋegbe、発音 /eβeɡbe/)は、西アフリカガーナトーゴベナンに住む約500万人のエウェ人によって話される言語である。他のフォン語アジャ語英語版とともに、グベ語群の一部を構成している。他のグベ語群の言語と同様に声調言語である。

言語名別称

  • Ebwe
  • Efe
  • Eibe
  • Eue
  • Eve
  • Gbe
  • Krepe
  • Krepi
  • Popo
  • Vhe
  • エヴェ語
  • ユー語

方言

  • Ho (ewe-hoo)
  • Vlin (ewe-vli)
  • Gbin (ewe-gbi)
  • Hudu (ewe-hud)
  • Be (ewe-bee)
  • Kpelen (ewe-kpe)
  • Togo (ewe-tog)
  • Adan (ewe-ada)
  • Anglo (ewe-ang)
  • Kotafoa (ewe-kot)
  • Aveno (ewe-ave)
  • Awuna (ewe-awu)
  • Vo (ewe-voo)
  • Agu (ewe-agu)

研究史

ドイツのアフリカ学者ディードリヒ・ヘルマン・ヴェスターマンは、エウェ語や他のグベ語群の言語に関する多くの辞書や文法書を出版したことで知られる。その他、ギルバート・アンスレ、ニック・クレメンツ、フェリックス・アメカなどがエウェ語研究に貢献している。

音韻

エウェ語の「恵み」 (英訳)

子音

エウェ語の子音音素
両唇音 唇歯音 歯音 歯茎音
後部歯茎音
硬口蓋音 軟口蓋音 両唇軟口蓋音 声門音
破裂音 無声音 p k k͡p
有声音 m ~ b n ~ ɖ ŋ ~ ɡ ɡ͡b
破擦音 無声音 t͡s
有声音 d͡z
摩擦音 無声音 ɸ f s x
有声音 β v z ɣ ~ ɰ ~ w ʁ ~ ʕ ~ ɦ
接近音 l ~ ɲ ~ j
ふるえ音 r
はじき音 (ɾ ~ ɾ̃)

H は有声摩擦音であり、口蓋垂音 [ʁ]咽頭音 [ʕ]、または声門音 [ɦ] としても記述される。

/n/ は通常、歯茎音の [n̺] であるが、歯音の [n̪] として現れることもある。

エウェ語の音素体系において、単独で音節を形成する音節鼻音(syllabic nasal)の分析は、重要な論点の一つである。この音節鼻音は、それ自体が声調を担い、後続する子音の調音点に同化して現れる。この音の音素としての位置づけについては、主に以下の3つの分析が考えられる。

母音音素と見なす分析
音節鼻音を母音音素の一種と見なす考え方。しかし、この分析には「口母音よりも鼻母音の数が多いという類型的に不自然な母音体系を仮定することになる」「後続子音に完全に同化するため、この『母音』は固有の調音点を持たないことになり、定義上不自然である」という問題点がある。
独立した子音音素と見なす分析
音節鼻音を /N/ のような一つの子音音素として立てる考え方であるが、この子音は音節主音としてしか現れず、母音の前に立つことができない。これは子音として極めて異例な分布上の制約である。
基底的な鼻音音素の異音と見なす分析
上記の問題を解消する、より有力な分析は、有声破裂音 [b, ɖ, ɡ] などを、それぞれ鼻音音素 /m, n, ŋ/ の異音と見なすものである。この分析では、鼻音音素は実現する環境によって発音が変わると説明される。
  • 口母音の前: 非鼻音化し、有声破裂音 [b, ɖ, ɡ] として現れる。
  • 鼻母音の前や、音節主音として機能する場合: 鼻音 [m, n, ŋ] として現れる。
したがって、有声破裂音と鼻音は相補分布をなしていることになる。この立場に立てば、音節鼻音は特殊な音素ではなく、単に基底的な鼻音音素が音節主音として実現した姿にすぎない。これにより、前述の不自然な母音体系や異例の分布制約といった問題は生じない。鼻音のような共鳴音が音節主音として機能すること自体は、言語横断的にも広く見られるパターンである。

[ɣ] は非円唇母音(後舌母音以外)の前で、[w] は円唇母音(後舌母音)の前で現れる。

南部の方言では、狭母音の /i/ の前で歯茎音 /t͡s, d͡z, s, z/口蓋化し、[t͡ʃ, d͡ʒ, ʃ, ʒ] のように発音されることがある[1]

エウェ語は、[f][ɸ]、そして [v][β] を対立させる数少ない言語の一つとして知られる。fv は多くの言語よりも強く発音され [f͈, v͈]、上唇が著しく持ち上がるため、比較的弱い [ɸ][β] との区別がより明確になる[2]

/l/ は子音連結に現れることがある。歯冠音の後では [ɾ](または [ɾ̃])になる。

母音

前舌母音 中舌母音 後舌母音
狭母音 i, ĩ u, ũ
半狭母音 e, ə, ə̃ o, õ
半広母音 ɛ, ɛ̃ ɔ, ɔ̃
広母音 a, ã

チルダ (˜) は鼻母音を示すが、ペキ (Peki) 方言には /õ/ がない。エウェ語の多くの方言では、前舌中段母音のいずれかが欠けている。また、ガーナの一部の変種には、追加の母音 /ə//ə̃/ が存在する。

声調

エウェ語は声調言語である。声調言語では、ピッチの違いが単語の意味を区別するために用いられる。例えば、エウェ語では以下の3つの単語は声調のみによって区別される。

  • '山' (高声調)
  • '乳鉢' (上昇声調)
  • '水牛' (低声調)

音声学的には、高・中・低の3つの声調レベルと、3つの上昇・下降する輪郭声調がある。しかし、ほとんどのエウェ語方言が弁別的に持つのは高・中の2つのレベルのみである。これらの声調は、有声阻害音の後の名詞において下降する。すなわち、高声調は中声調(または上昇声調)になり、中声調は低声調になる。また、中声調は句や発話の末尾では低声調として現れることがあり、上記の「水牛」の例がそれにあたる。

書面上では、声調はアキュート・アクセントグレーブ・アクセントキャロンサーカムフレックスによって示される。これらは鼻母音を示すチルダと共に用いられることがある[3]

文字

エウェ語の表記には、アフリカ統一アルファベットに基づいたラテン文字が用いられる。

A a B b D d Ɖ ɖ Dz dz E e Ɛ ɛ F f
/a/ /b/ /d/ /ɖ/ /d͡z/ /e/ /ɛ/ /f/
Ƒ ƒ G g Gb gb Ɣ ɣ H h I i K k Kp kp
/ɸ/ /ɡ/ /ɡ͡b/ /ɣ/ /h/ /i/ /k/ /k͡p/
L l M m N n Ny ny Ŋ ŋ O o Ɔ ɔ P p
/l/ /m/ /n/ /ɲ/ /ŋ/ /o/ /ɔ/ /p/
R r S s T t Ts ts U u V v Ʋ ʋ W w
/l/ /s/ /t/ /t͡s/ /u/ /v/ /β/ /w/
X x Y y Z z
/x/ /j/ /z/

声調は通常表記されない。ただし、曖昧さを避ける必要があるいくつかの一般的なケースでは表記される。例えば、一人称複数代名詞の mí(私たち)は、二人称複数代名詞の mi(あなたたち)と区別するために高声調が記される。また、二人称単数代名詞の wò(あなた)は、三人称複数代名詞の wó(彼ら)と区別するために低声調が記される。

  • ekpɔ wò [ɛ́k͡pɔ wò] — 「彼はあなたを見た」
  • ekpɔ wo [ɛ́k͡pɔ wó] — 「彼は彼らを見た」

文法

文法の概説

エウェ語は、いくつかの点で日本語話者にとって馴染みの薄い特徴を持つ言語である。その文法は全体として以下のような特徴によって特徴づけられる。

  • 言語類型: 基本的な語順はSVO型(主語-動詞-目的語)である。名詞や動詞の語幹そのものが変化する屈折はほとんどなく、接頭辞や接尾辞を付加して文法機能を示す膠着語的な性質が強い。
  • 孤立語的な性質: 文法関係が語順によって示される部分も多く、孤立語の特徴も併せ持つ。
  • 声調の役割: 声調が単語の意味だけでなく、時制や代名詞の区別といった文法的な機能も担う重要な要素である。
  • 動詞連続構文: 複数の動詞が接続詞なしに連続し、一連の動作や複雑な事象を表現する「動詞連続構文」が多用される。
  • 後置詞の使用: 前置詞はなく、名詞の後に置かれる後置詞を用いる。これらの多くは身体部位や場所を表す名詞に由来する。

語順

エウェ語の基本的な語順はSVO(主語 - 動詞 - 目的語)である。

  • Kofi ƒle agbalẽ. - 「コフィは本を買った。」 (S: Kofi, V: ƒle, O: agbalẽ)
  • Ama ɖa nu. - 「アマは何かを料理した。」 (S: Ama, V: ɖa, O: nu)

疑問詞(「何」「誰」など)を用いた疑問文では、疑問詞を文頭に移動させず、本来の目的語や主語の位置に留める(in-situ)のが一般的である。

  • ȃle nuka? - 「あなたは何を買いましたか?」(S: È - V: ƒle - O: nuka)

目的語を強調する場合、語順はOSVとなる。この際、文頭に移動した目的語にはしばしば焦点マーカーの`-e`が付加される。

  • Lang|ee|Agbalẽ lae Kofi ƒle. - 「(他のものではなく)その本こそを、コフィは買った。」(O: Agbalẽ lae - S: Kofi - V: ƒle)

修飾語は基本的に被修飾語の後に置かれる。

  • agbalẽ nyui - 「良い本」 (名詞 + 形容詞)

継続相における語順

助動詞 le(現在)または (過去)を用いた継続相の構文では、語順が大きく変化する。目的語を持つ他動詞の場合、その目的語(O)は助動詞(Aux)と主動詞(V)の間に置かれ、S-Aux-O-V という語順になる。

  • 基本形 (SVO): Kofi wɔ dɔ. (コフィは仕事をした。)
  • 継続相 (S-Aux-O-V): Kofi le dɔ wɔm. (コフィは仕事をしている。)(S: Kofi - Aux: le - O: dɔ - V: wɔm)

この構造は、目的語が動詞句の内部に組み込まれる分裂動詞構造の一種である。 一方、目的語を持たない自動詞の場合は、動詞の畳語形を用いて S-Aux-V となる。

  • Kofi le yiyim. (コフィは行っているところだ。)

名詞

エウェ語の名詞は、性や格による語形変化(屈折)がなく、バントゥー語群に見られるような名詞クラスも存在しない。複数や限定(定・不定)といった概念は、名詞の後に接尾辞や小辞を付加することで示される。 名詞を複数形にするには、接尾辞 -wo を付ける。

  • ati > atiwo - 「木々」
  • xɔ > xɔwo - 「家々」
  • ŋutsu > ŋutsuwo - 「男たち」

集合名詞は通常この接尾辞を使わない。

  • ayi - 「豆」
  • azi - 「木の実」
  • mɔli - 「米」
  • bli - 「トウモロコシ」
  • wɔ - 「小麦粉」
  • tsi - 「水」
  • dze - 「塩」

集合名詞に複数接尾辞が付く場合、それはその名詞の異なる種類を指す。

  • ayiwo - 「様々な種類の豆」

数詞で数量が示されている場合、複数接尾辞は付かない。

  • ati eve - 「2本の木」(文字通りには「木 2」)
  • xevi ewo - 「10羽の鳥」(文字通りには「鳥 10」)
  • nyɔnu etɔ˜ - 「3人の女性」(文字通りには「女性 3」)

しかし、名詞に定冠詞が付く場合は、複数接尾辞も用いられる。

  • ati eveawo - 「その2本の木」(文字通りには「木 2-その-複数」)
  • xevi ewoawo - 「その10羽の鳥」(文字通りには「鳥 10-その-複数」)
  • nyɔnu etɔ˜awo - 「その3人の女性」(文字通りには「女性 3-その-複数」)

定冠詞の接尾辞-aは、名詞ではなく数詞に付く。 接尾辞 -e によって名詞を強調することができる。この接尾辞は、もしあれば限定詞や形容詞に付け加えられる。

  • To kɔkɔe. - 「それはまさに高い山だ。」
  • Xɔ gãne neƒle. - 「あなたが買ったのは大きな家だ。」
  • Adela eveawoe wu to la. - 「水牛を殺したのは、その2人の狩人だ。」

動詞を名詞化したもの(動名詞)に接尾辞 -ƒe を付けると、「~する場所」という意味の名詞を作ることができる。

  • yiyi → yiyiƒe - 「行く場所」(文字通りには「行くこと-場所」)
  • vava → vavaƒe - 「来る場所」(文字通りには「来ること-場所」)
  • dzodzo → dzodzoƒe - 「去る場所」(文字通りには「去ること-場所」)

名詞の派生

接尾辞 -la を付けて「〜する人」を表す。

  • ƒle (買う) → ƒlela (買い手)
  • fia (教える) → fiala (教師)

動詞の畳語化によって「〜すること」という行為自体を表す。

  • yi (行く) → yiyi (行くこと)
  • wɔ (する) → wɔwɔ (すること)

複数の語を組み合わせることで、新しい意味を持つ複合名詞が作られる。

  • ame (人) + dzro (客) → amedzro (客人、訪問者)
  • ŋku (目) + tsi (水) → ŋkusi (涙)
  • suku (学校) + vi (子供) → sukuvi (生徒)

冠詞

エウェ語には小辞 la と接尾辞 -aの2つの定冠詞がある。

  • ati la, atia - 「その木」
  • la, xɔa - 「その家/建物」

語根が -a で終わる場合、冠詞は常に la となる。

  • ga la (*gaaではない) - 「その金属/お金」

エウェ語の不定冠詞は、数詞の「1」に由来する aɖe を名詞の後に置くことで表現される。

  • ŋutsu aɖe - 「ある男」

一方で、話者にとっては特定されているが、聞き手にとってはまだ未知である対象を指す「ある特定の〜」というニュアンスは、名詞に定冠詞の接尾辞 -a を付け、その後に ɖe を置いて表現する。

  • amea ɖe - 「ある特定の人」
  • atia ɖe - 「ある特定の木」

「これは何ですか?」と尋ねる場合、不定冠詞は使われない。

  • Nuka nye esia? esia nye xɔ. - 「これは何ですか?これは家です。」
  • Nuka nye esia? esia nye kplɔ˜. - 「これは何ですか?これはテーブルです。」
  • Nuka nye esia? esia nye ablegɔ. - 「これは何ですか?これは椅子です。」

以下の例では、この「特定の不定」の用法が使われている。

  • Atia ɖe mu. - 「ある特定の木が倒れた。」
  • Kɔdzo kpɔ ŋutsua ɖe. - 「コジョは特定の男を見た。」
  • Adzoa ƒle azia ɖe. - 「アジョアは特定の卵を買った。」

複数化の接尾辞 -wo は、不定冠詞の ɖe に接尾する。

  • Atia ɖewo mu. - 「いくつかの木が倒れた。」
  • Kɔdzo kpɔ ŋutsua ɖewo. - 「コジョは数人の男を見た。」
  • Adzoa ƒle azia ɖewo. - 「アジョアはいくつかの卵を買った。」

指示限定詞

指示限定詞は名詞の後に置かれる。近称(これ)、中称(それ・あれ)、遠称(あそこにあるあれ)の区別がある。

  • sia - この
  • siawo - これらの
  • ma - その、あの
  • mawo - それらの、あれらの
  • kemɛ - あの(遠くの)
  • kemɛwo - あれらの(遠くの、複数)
指示限定詞
距離 単数 複数
近称(話者の近く) sia (この) siawo (これらの)
中称(聞き手の近く) ma (その、あの) mawo (それらの、あれらの)
遠称(話者からも聞き手からも遠い) kemɛ (あそこの) kemɛwo (あそこらの)

指示限定詞は名詞の後に続く。

  • ɖevi sia - 「この子供」
  • ɖevi siawo - 「これらの子供たち」
  • xevi ma - 「あの鳥」
  • xevi mawo - 「あれらの鳥たち」
  • to kemɛ - 「あそこのあの水牛」
  • to kemɛwo - 「あそこのあれらの水牛たち」

指示限定詞は他のすべての形容詞の後に続く。

  • ŋutsuvi nyui sia - 「この良い少年」(文字通りには「少年 良い この」)
  • ŋutsu sesẽ kɔkɔ ma - 「あの背が高く強い男」(文字通りには「男 背が高い 強い あの」)
  • fesre keke sesẽ mawo - 「あれらの広くて丈夫な窓」(文字通りには「窓 丈夫 背が高い あれらの」)

所有限定詞

所有限定詞は以下の通りである。

  • nye - 私の
  • míaƒe - 私たちの
  • wò - あなたの
  • miaƒe - あなたたちの
  • eƒe - 彼の/彼女の/それの
  • woƒe - 彼らの

彼/彼女/それ、私たち、あなたたち、彼らの場合、所有の接尾辞 ƒe が使われる。 これらの所有限定詞は名詞の前に置かれる。

  • Nye xɔ mu. - 「私の家が倒れた。」
  • agbalẽ bu. - 「あなたの本がなくなった。」
  • eƒe abɔ ŋe. - 「彼の腕が折れた。」
  • Míaƒe atiwo sɔgbɔ. - 「私たちの木はたくさんある。」
  • Miaƒe nyiwo nye esiawo. - 「あなたたちの牛はこれらです。」
  • Woƒe xɔwo menyo o. - 「彼らの家は良くない。」

以下のケースでは接尾辞 ƒe が省略される。e(「彼の/彼女の」、単数)は接頭辞になる。 家族:

  • mía fofo - 「私たちの父」
  • mia dada - 「あなたたちの母」
  • wo tasi - 「彼らの叔母」(彼らの叔母)
  • etɔɖi dzo. - 「彼の叔父が出発した。」(彼の叔父)

体の部位:

  • mía ŋkume - 「私たちの顔」
  • emegbe - 「彼の背中」
  • Wo ŋuti ko. - 「彼らの体はきれいだ。」

動名詞:

  • eƒeƒle - 「彼が買われること」
  • wo wuwu - 「彼らが殺されること」
  • mia dɔdɔ - 「あなたたちが送られること」

行為者名詞:

  • mía kplɔla - 「私たちのリーダー」
  • mia tsɔlawo - 「あなたたちの運搬人」
  • exɔla - 「彼の受取人」
  • wo dzralawo - 「彼らの送り主」

部族や人種の名前:

  • mía Eʋeawo - 「私たちの民族、エウェ族」
  • mia Dzamawo - 「あなたたちの民族、ドイツ人」

いくつかの特別な名詞の後:

  • ŋkɔ - 「名前」 > eŋkɔ - 「彼の名前」
  • de - 「故郷」 > wo de - 「彼らの故郷」
  • denyigba - 「祖国」 > mía denyigba - 「私たちの祖国」
  • aƒe - 「家」 > le eƒe me - 「彼の家で」

「私の」と「あなたの」の限定詞は名詞に接尾することができる(声調の変化を伴う):

  • Nye agble melolo o. = Agblenye melolo o. - 「私の畑は大きくない。」
  • xɔ mu. = Xɔ mu. - 「あなたの家が倒れた。」

これは家族を表す場合に通常見られる。

  • vinye - 「私の子供」(*nye vi とは言わない
  • fofo - 「あなたの父」
  • nɔvinye - 「私の兄弟/姉妹」
  • danye - 「私の母」または「私の姉」

「彼/彼女の」では、限定詞は接尾辞 -a となる。

  • fofoa 「彼の父」
  • via 「彼の子供」

所有者と所有物を結びつけるには、所有者の後に小辞 ƒe を置く。

  • Aŋku ƒe xɔ mu. - 「アンクの家が倒れた。」
  • Akua ƒe afɔk pa bu. - 「アクアの靴がなくなった。」
  • Xɔ la ƒe gliwo tri. - 「その家の壁は厚い。」

家族では、小辞は使わない。

  • Adzoa fofo va. - 「アジョアの父が行った。」
  • Ŋutsua srɔ˜ dzo. - 「その男の妻が出発した。」
  • Ɖevia dada meli o. - 「その子供の母は不在だ。」

これは、その所有物が所有者から分離可能か(譲渡可能所有)、分離不可能か(非譲渡可能所有)という概念に基づいている。所有物が所有者から分離できない場合、関係は非譲渡可能であり、小辞は必要ではない。 しかし体の部位では、ƒe がないと体の部位が後置詞として機能するため、小辞を省略することはできない。

  • Adzoa ƒe ta - 「アジョアの頭」
  • Adzoa ta - 「アジョアの上に」
  • ŋutsua ƒe ŋkume - 「その男の顔」
  • ŋutsua ŋkume - 「その男の前に」

代名詞

人称代名詞

主語の人称代名詞は以下の通りである。

  • me- (nye-) - 私
  • mí- (míe-) - 私たち
  • è- (ne-) - あなた
  • mi- (mie-) - あなたたち
  • e- (wo-) - 彼/彼女/それ
  • wo- - 彼ら

è(「私たち」と「あなた」)は、mie(「あなたたち」と「彼」)と区別するために常に声調が標識される。 括弧内の形は、主に否定文(nye-, míe-)や、一部の構文(ne-, mie-, wo-)で使われる。 主語代名詞は通常、動詞に付け加えられる。

  • meyi - 「私は行く」
  • míeyi - 「私たちは行く」
  • èyi - 「あなたは行く」
  • mieyi - 「あなたたちは行く」
  • eyi - 「彼は行く」
  • woyi - 「彼らは行く」

目的語の人称代名詞は以下の通りである。

  • -m (ye) - 私を
  • (mía) - 私たちを
  • - あなたを
  • mi (mia) - あなたたちを
  • -e (ye) - 彼/彼女/それを
  • wo (yewo) - 彼らを

(「私たち」と「あなた」)は、miwo(「あなたたち」と「彼ら」)と区別するために常に声調が標識される。 一般に、目的語代名詞はその動詞から分離されるが、me はその動詞に接尾する。

  • Mekpɔ mi. - 「私はあなたたちを見た。」
  • Ékpɔ wo. - 「あなたは彼らを見た。」
  • Ekpɔ . - 「彼はあなたを見た。」
  • Wokpɔ . - 「彼らは私たちを見た。」
  • Mekpɔe. - 「私は彼を見た。」
  • Miekpɔm . - 「あなたたちは私を見た。」

いくつかの特別な形態論的変化がある。

  • ɖa + e → ɖɛ - 「それを料理する」
  • gba + e → gbɛ - 「それを壊す」
  • nya + e → nyɛ - 「それを洗う」
  • eɖu + e → eɖui - 「彼はそれを食べる。」
  • wu + e → wui - 「それを殺せ!」
  • mi + e → mii - 「それを飲み込め!」
  • wofi + e → wofii - 「彼らはそれを盗む。」

人称代名詞には絶対形もある。

  • nye - 私
  • míawo - 私たち
  • - あなた
  • miawo - あなたたち
  • eya - 彼/彼女
  • woawo - 彼ら

絶対人称代名詞を強調するには、接尾辞 -e を加える。

  • nyee - 「~なのは私だ」
  • e - 「~なのはあなただ」
  • eyae - 「~なのは彼だ」
  • míawoe - 「~なのは私たちだ」
  • miawoe - 「~なのはあなたたちだ」
  • woawoe - 「~なのは彼らだ」

例:

  • Nyee wu da la. - 「蛇を殺したのは私だ。」
  • Wòe kpɔ wo. - 「彼らを見たのはあなただ。」
  • Eyae ƒom. - 「私を殴ったのは彼だ。」
  • Nyee wokpɔ - 「彼が見たのは私だ。」
  • Wòe míekpɔ - 「私たちがが見たのはあなただ。」
  • eyae woyɔ. - 「彼らが呼んだのは彼だ。」

再帰代名詞は ɖokui を使って形成される。

  • ɖokuinye - 「私自身」
  • ɖokuiwò - 「あなた自身」
  • eɖokui - 「彼/彼女自身」
  • mía ɖokuiwo - 「私たち自身」
  • mia ɖokuiwo - 「あなたたち自身」
  • wo ɖokuiwo - 「彼ら自身」

複数形の所有代名詞の後に ɖokui が続く。「彼/彼女」では ɖokui は接尾する。「私」と「あなた」では接頭する。 エウェ語には相互代名詞に3つの形がある。

  • mía nɔewo - 「(私たちは)お互い」
  • mia nɔewo - 「(あなたたちは)お互い」
  • wo nɔewo - 「(彼らは)お互い」

例:

  • Ŋutsuawo wu wo nɔewo. - 「男たちはお互いを殺し合う。」

エウェ語には、間接話法において、引用文の中の主語が、発言者自身であることを示すための特別な三人称代名詞(ロゴフォリック代名詞)である が存在する。これにより、間接話法において曖昧さが解消される。

  • Kofi gblɔ be edzo. - 「コフィは(コフィではない別の人)が去ったと言った。」
  • Kofi gblɔ be dzo. - 「コフィは自分(コフィ自身)が去ったと言った。」

この代名詞は、思考や知識を表す動詞(nya「知る」、se「聞く」など)の後でも用いられる。

  • Ama nya be wu suku nu. - 「アマは自分が学校を終えたことを知っている。」

所有代名詞

所有限定詞から代名詞を作るには、(形容詞から名詞を作る小辞)を以下の規則に従って加える。 「私の」と「あなたの」では、 は接頭する。

  • nye - 「私のもの」
  • wò - 「あなたのもの」

「彼/彼女の」では、 は接尾する。

  • e - 「彼のもの」

複数形では、 は所有限定詞の後の独立した単語になる。

  • mía - 「私たちのもの」
  • mia - 「あなたたちのもの」
  • wo - 「彼らのもの」

は単独で使うこともできる。

  • Xɔ sia meĺolo wu ŋutsu sia o. - 「この家はこの男のもの(家)より大きくない。」
  • Woƒe agble menyo abe fi a ene o. - 「彼らの畑は首長のもの(畑)ほど良くない。」

まとめ

人物 主語 目的語 絶対形 所有限定詞 所有代名詞
1単 me- -m nye nye tɔnye
2単 è- tɔwò
3単 e- -e eya eƒe etɔ
1複 mí- míawo míaƒe mía tɔ
2複 mi- mi miawo miaƒe mia tɔ
3複 wo- wo woawo woƒe wo tɔ

関係代名詞

関係代名詞は si(非複数形)と si wo(複数形)である。関係節の終わりは、「文冠詞」 la によって標識される。

  • Ŋutsu si ƒle sɔ la nam la va. - 「私のために馬を買った男が来た。」
  • Nyɔnu si nekpɔ la nye Kofi srɔ˜ - 「あなたが見た女性はコフィの妻です。」
  • Ati si mu la wu gbɔ˜ eve. - 「倒れた木は2匹のヤギを殺した。」
  • si mieƒle la lolo ŋutɔ. - 「私たちが買った家はとても大きい。」
  • Woyɔ ŋutsu si wonya nyuie la vɛ - 「彼らはよく知っている男を呼んだ。」

代名詞が参照する名詞が複数形の場合、複数接尾辞 -wo が代名詞に加えられる。

形容詞

ほとんどの形容詞は、主語の後に続く性質や状態の動詞から派生する。

  • ati la kɔ / atia kɔ - 「その木は高い」
  • mɔ la didi / mɔa didi - 「その道は長い」

これらを本来の形容詞として使うには、動詞を畳語にして名詞の後に置く。

  • ati la kɔ - 「その木は高い」 > ati kɔkɔ la - 「その高い木」
  • tsi la fa - 「その水は冷たい」 > tsi fafa la - 「その冷たい水」

複数の形容詞がある場合、それらすべてが名詞の後に続く。

  • ati kɔkɔ lolo la - 「その高くて太い木」
  • nyɔnu lolo didi la - 「その太って背の高い女性」

名詞の後に形容詞が続く場合、複数形は名詞ではなく形容詞に接尾辞 -wo を付けることで形成される。

  • ati kɔkɔwo - 「高い木々」
  • nyɔnu lolowo - 「太った女性たち」

複数の形容詞がある場合、 -wo は最後の形容詞に接尾される。

  • ati kɔkɔ loloawo - 「その高くて太い木々」

数量が数詞によって表現される場合、名詞に冠詞が付いている場合を除き、複数接尾辞は使われない。

  • ati kɔkɔ ade - 「6本の高い木」
  • nyɔnu lolo ewo - 「10人の太った女性」
  • ati kɔkɔ adeawo - 「その6本の高い木」
  • nyɔnu lolo ewoawo - 「その10人の太った女性」

いくつかの形容詞は特別な形を持つ。

  • fa > fafa / fafɛ - 「冷たい」
  • gblẽ > gbegblẽ - 「悪い、間違った、腐った」
  • glɔ˜ > gɔ˜glɔ˜ - 「曲がった」
  • tri > titri - 「厚い」
  • lolo > lolo - 「大きい、広い、太った」
  • didi > didi - 「長い」
  • keke > keke - 「広い」
  • xaxa / xaxɛ > xaxa / xaxɛ - 「狭い」
  • bɔbɔ > bɔbɔe / bɔbɔ - 「柔らかい」
  • xɔ dzo > xɔ dzo / dzodzo - 「熱い」
  • sɔe > sɔe - 「小さい」
  • kpui > kpui - 「短い、低い」
  • nyo > nyui (de nyoe) - 「良い、美しい」

エウェ語には、色、形、状態を指すいくつかの本来の形容詞もある。これらは動詞 le を必要とする。

  • Ame la le ɣie. - 「その人は白い。」
  • Avɔ la le yibɔɔ. - 「その布は黒い。」
  • Gli la le dzie. - 「その壁は赤い。」
  • Akplɔ la le tsyɔẽ. - 「その槍は鋭い。」
  • Mɔ la le gbadzaa. - 「その通りは広い。」
  • Kpe la le nogoo. - 「その石は丸い。」
  • Do la le tegblee. - 「その穴は円形だ。」
  • Tsi la le kpɔtɔɔ. - 「その水は濁っている。」
  • Yame le kplefuu. - 「天気は曇っている。」
  • Atike la le yaa. - 「その薬は味がない。」

これらを名詞と一緒に使うと、ほとんどが異なる。

  • avɔ yibɔ la - 「その黒い布」
  • Avɔ la le yibɔɔ. - 「その布は黒い」
  • do nogo la - 「その丸い穴」
  • Do la le nogoo. - 「その穴は丸い」

比較表現は、動詞wu(~を超える)を用いて作る。

  • Atiglinyi lolo. - 「象は大きい」
  • Atiglinyi lolo wu to. - 「象は水牛より大きい」(文字通りには「象は大きい、水牛を超える」)

wu は目的語なしで使うこともできる。

  • Atiglinyi tri wu. - 「象はより厚い。」(文字通りには「象は厚い、超える」)
  • Ŋutsu la kpui wu. - 「その男はより背が低い。」(文字通りには「その男は低い、超える」)

最上級は、比較形に wo katã(すべて、彼らすべて)を加えることで表現される。

  • Atiglinyi lolo wu wo katã. - 「象はすべての中で最も大きい。」(文字通りには「象は大きい、彼らすべてを超える」)
  • Ŋutsu la kpui wo katã. - 「その男はすべての中で最も背が低い。」(文字通りには「その男は低い、すべてを超える」)

小辞 は形容詞から名詞を作ることができる。

  • lolo → lolo - 「大きいもの」
  • titri → titri - 「厚いもの」
  • kɔkɔ → kɔkɔ - 「高いもの」

これらの名詞は形容詞として、また比較のためにも使われる。

  • to lolotɔ - 「大きい水牛」(文字通りには「水牛 大きい-もの」)
  • to lolotɔ wu - 「より大きい水牛」(文字通りには「水牛 大きい-もの 超える」)
  • to lolotɔ wu wo kakã - 「最も大きい水牛」(文字通りには「水牛 大きい-もの 超える すべて」)

副詞

副詞はその動詞の後に続く。

  • Agblea lolo ŋutɔ. - 「畑はとても大きい。」(文字通りには「畑は大きい とても」)
  • Mɔa didi akpa. - 「道は長すぎる。」(文字通りには「道は長い すぎる」)

疑問文

疑問文を形成するには様々な方法がある。最も簡単なのは、文を -a で終えることである。

  • Ati la kɔa? - 「その木は高いですか?」
  • Mɔa didia? - 「その道は長いですか?」

aleke … le?(~はどのようですか?)という表現を使って疑問文を作ることもできる。

  • aleke xɔ la le? Xɔ la kɔ ŋutɔ. - 「その建物はどの(くらい大きい)ですか?」「その建物はとても大きいです。」

3つ目の方法は、疑問詞 ɖe を使うことである。Ɖe は疑問文の最後に置かれ、「どこに?」という意味を持つ。

  • Ameawo ɖe? - 「人々はどこですか?」
  • ɖe? - 「あなたはどこですか?」
  • Atia ɖe? - 「木/杖/薪はどこですか?」

Ɖe は「何?」または「~に関しては」という意味も持つ。

  • Ŋkɔwò ɖe? - 「あなたの名前は何ですか?」
  • Nyɔnua ɖe、eva azɔ́a? - 「その女性に関しては、彼女は今来ましたか?」

また、疑問文の冒頭に ɖe を置き、文を -a で終えることもできる。

  • Ɖe Akɔsua ɖa te la xoxoa? - 「アコシュアがすでにヤムイモを料理したというのは本当ですか?」
  • Ɖe miede Peki etsɔa? - 「あなたが昨日ペキに行ったというのは本当ですか?」

場合によっては、 -a の代わりに ma または mahã を使う。

  • Ɖe neƒle agble ma? - 「あなたがその畑を買ったというのは本当ですか?」
  • Ɖe wòƒo mi mahã? - 「彼らがあなたを殴ったというのは本当ですか?」

疑問詞

疑問詞を用いた疑問文では、文末に -a を付けない。疑問詞は通常、文中で動詞の目的語や主語の位置に来る。

  • ameka? - 誰?
    • Ameka va? - 「誰が来ましたか?」
    • Nekpɔ ameka? - 「あなたは誰を見ましたか?」
  • nuka? - 何?
    • Nuka dzie nèle? - 「あなたは何を書いていますか?」
    • Eƒle nuka? - 「彼は何を買いましたか?」
  • afika? - どこ?
    • Afika nèle yim? - 「あなたはどこへ行きますか?」
    • Wotsɔe kpe ɖe afika? - 「彼らはそれをどこに置きましたか?」
  • ɣekaɣi? - いつ?
    • Ɣekaɣi nàva? - 「あなたはいつ来ますか?」
  • nukata? - なぜ?
    • Nukata nèva o? - 「なぜあなたは来なかったのですか?」
  • aleke? - どのように?
    • Aleke wowɔe? - 「彼らはそれをどのようにしましたか?」

後置詞

前置詞の代わりに、エウェ語は名詞の後に続く後置詞を使う。

  • Xevi la le ati la dzi. - 「鳥は木の上にいる。」
  • ele xɔ la me. - 「彼は部屋の中にいる。」
  • Kɔdzo le nyi la gbɔ. - 「コジョは牛の近くにいる。」

すべての後置詞は元々名詞であった。いくつかは今でも名詞である。最も一般的な後置詞(名詞としての意味と共に)を以下に示す。

  • me - 中
  • dzi - 上(表面)
  • gbɔ - 近く、まで(側)
  • megbe - 後ろ(背中)
  • ŋgɔ - 前(前方、液体の表面)
  • xa - 隣に、近くに
  • ƒo - 上(表面)
  • nu - へ(入口、端)
  • dome - 間
  • ɖome, gɔme, te - 下
  • ŋu, ŋuti - 上(壁、木の表面;物体の側面)
  • titina - 真ん中に
  • to - 端に(端、川と岸の間)
  • ta - 上(頭)
  • ŋkume - 上、へ、前(顔、鏡、布、または水の表面)

場所、国、大陸の名前は後置詞を使わない。

  • Kɔsi le Lome. - 「コシはロメにいる。」
  • Ŋutsuvi la le Ameriʼka. - 「少年はアメリカにいる。」

後置詞は、地域を示すために言語の名前に接尾することができる。

  • le Eʋeme - 「エウェ語が話される地域で」
  • le Dzamame - 「ドイツ語が話される地域で」
  • le Blume - 「トウィ語が話される地域で」
  • le eŋlesime - 「英語が話される地域で」

これらの名詞はすでに後置詞を含んでおり、別の後置詞を必要としない。

  • abɔta - 肩(「腕の頂上」)
  • dziƒo - 空(「上の表面」)
  • xɔxɔnu - 中庭

ただし、接尾辞 me(中)を持つ多くの名詞はこの規則に従わない。

  • nɔnɔme - 形:Mekpɔe le nɔnɔme ma me
  • ƒome - 家族:Wole ƒome ɖeka me
  • dzidzime - 世代:Le dzidzime sia me

これらの名詞は、場所や国の名前のように後置詞を使わない。

  • de - 故郷
  • xexe - 家の外
  • aƒe - 故郷の村、故郷の国
  • suku - 学校

動詞と動詞句

エウェ語の動詞の最も重要な特徴は、語幹そのものが人称、数、時制などによって変化(屈折)することがない点である。文法的な機能は、主語人称代名詞の接頭辞化、時制・相(アスペクト)を示す接辞や助動詞、また後続する別の動詞(動詞連続構文)によって示される。

エウェ語 動詞句の構成要素
位置 名称 機能 選択される形態素と補足
--- 否定辞 1 否定 me- (主語接頭辞と融合する)
1 主語接頭辞 主語の人称・数 【肯定】 me-, è-, e-, mí-, mi-, wo-
【否定】 nye-, mè-, me-, míe-, mie-, wome-
2 時制・相マーカー(前置) 時制・相 a- (未来)
le / nɔ (現在/過去継続相の助動詞
Ø (アオリスト)
3 目的語(継続相) 目的語 名詞または独立代名詞
位置2でleまたはが選択された場合にのみ、この位置に目的語が来る。
4 動詞語幹 語彙的な意味 基本形: yi, kpɔ
畳語形: yiyi (自動詞の継続相)
5 相・法接尾辞 相・法 -m (継続相)
-na / -a (習慣相)
Ø (その他)
6 目的語(継続相以外) 目的語 人称代名詞接尾辞 (-m, -e) または独立代名詞
アオリスト相や未来相など、継続相以外の場合に目的語が来る位置。
--- 否定辞 2 否定 o (文末)

時制と相

単純動詞

エウェ語では、時制が標識されていない動詞は現在または過去(アオリスト)を指す。

  • meyi - 「私は行く、私は行った」
  • meva - 「私は来る、私は来た」

通常、時制は状況や他の単語や表現によって示される。

  • etsɔ si va yi - 「過ぎ去った日」
  • xoxo - 「すでに」
  • tsã la - 「過ぎ去った日々」
  • le blema la - 「古代」
  • gbe ɖeka - 「かつて」
  • ƒes va yi - 「昨年」
  • ɣleti si va yi - 「先月」
  • kwasiɖa si va yi - 「先週」

例:

  • Woyi etsɔ si va yi (または: Woyi etsɔ). - 「彼らは昨日行った。」
  • Wova xo (または: Wova xoxo). - 「彼らは来た。」
  • Mieƒlee ɣleti si va yi. - 「私たちは先月それを買った。」

動詞は人称や複数で変化しない。

継続相

継続相は、助動詞と主動詞への接尾辞 -m の使用によって示される。現在では、助動詞は le である。 自動詞はまず畳語によって名詞に変わる。

  • yi > le yiyim
  • va > le vavam
  • si > le sisim
  • dzo > le dzodzom

他動詞は畳語にならない。目的語は助動詞の後に続くが、主動詞の前になる:

  • ɖu nu > le nu ɖum
  • wɔdɔ > le dɔ wɔm
  • ƒle nu > le nu ƒlem
  • fa avi > le avi fam

通常接頭される代名詞がある場合、それは le に接頭する。

  • meyi > mele yiyim
  • wodzo > wole dzodzom
  • ewɔ dɔ > ele dɔ wɔm

過去では、助動詞は である。

  • mele yiyim - 「私は行っているところだ」
  • me yiyim - 「私は行っているところだった」
  • ele dɔ wɔm - 「彼は働いているところだ」
  • e dɔ wɔm - 「彼は働いているところだった」

開始相

行為がすぐに始まろうとしている場合、開始相が使われる。これは継続相と同じ構造を持つが、主動詞の後に ge(「側、近所」を意味する単語 gbe に由来)が続く。

  • Ameawo le vavam. - 「人々が来ている。」
  • Ameawo le vava ge. - 「人々が来始めようとしている。」

継続相と同様に、過去は で構成される。自動詞には畳語形を、他動詞には通常形を使いる。

  • míele yiyi ge - 「私たちは行き始める」
  • míenɔ yiyi ge - 「私たちは行き始めた」
  • Wole dzodzo ge - 「彼らは出発し始める」
  • Wonɔ dzodzo ge - 「彼らは出発し始めた」
  • Xɔ la le mumu ge - 「家は倒れ始める」
  • Xɔ la nɔ mumu ge - 「家は倒れ始めた」
  • Èle nu ɖu ge. - 「あなたは食べ始める」
  • Kɔsi le xɔ tu ge. - 「コシは家を建て始める」
  • Nyɔnuviawo ha dzi ge. - 「少女たちは歌い始めた」

習慣相

習慣相は、動詞に -a または -na を接尾することで形成される。動詞が目的語を持つ場合は -a を使う。

  • Míele tsi etsɔ. - 「私たちは昨日入浴した。」
  • Míelea tsi gbesiagbe. - 「私たちは毎日入浴する。」
  • Woɖu nu le fia gbɔ. - 「彼らは首長の(家で)食事をする。」
  • Woɖua nu le fia gbɔ. - 「彼らは普段首長の(家で)食事をする。」

動詞が目的語を持たない場合は -na を使う。

  • Ame kuna. - 「人は死ぬものだ。」(これが人間の性質だから)
  • Woyina gatrɔna gbe ma gbe ke. - 「普段、彼らは同じ日に行って帰ってくる。」

-a が代名詞 -e(彼)の後に続く場合、 -a-e の代わりに -nɛ を使う。

  • Míetsɔa agbeli ɖaa fufu. - 「私たちはフフを作るときキャッサバを使う。」
  • Míetsɔ ɖanɛ. - 「私たちはそれを作るときにそれを使う。」

未来時制

エウェ語では、未来時制は動詞に a- を接頭することで形成される。

  • ɖu nu - 「食べる / 食べた」
  • aɖu nu - 「食べるだろう」
  • dzi ha - 「歌う / 歌った」
  • adzi ha - 「歌うだろう」
  • yi - 「行く / 行った」
  • ayi - 「行くだろう」

接頭代名詞と一緒になると、未来の接頭辞の声調が変わる。

  • me- + a → mava - 「私は行くだろう」
  • è- + a → àva - 「あなたは行くだろう」
  • e- + a → ava - 「彼は行くだろう」
  • mí- + a → míava - 「私たちは行くだろう」
  • mi- + a → miava - 「あなたたちは行くだろう」
  • wo- + a → woava - 「彼らは行くだろう」

未来時制は仮定法にも使われる。

  • Ne manye wò la, maƒlee. - 「もし私があなたなら、それを買うだろう。」
  • Ne aɖu wò kata la aɖi ƒo. - 「もしあなたが全部食べたら、満腹になるだろう。」
  • Ne makpɔe la mawui. - 「もし私が彼を見たら、彼を殺すだろう。」

命令形

エウェ語の命令法は、命令の対象が単数か複数か、また肯定か否定かによって形式が異なる。

肯定的命令

一人に対する命令では、動詞そのものが命令形として用いられる。声調には以下の規則がある。

  1. 低声調の動詞は、低声調のまま変化しない。
  2. 高声調の動詞は、上昇声調に変化する。
  • Vǎ! 「来い!」
  • Yǐ! 「行け!」
  • Dzǒ! 「あっちへ行け!」
  • Dzi ha! 「歌え!」

動詞が複数の声調を持つ場合、最初の高声調が上昇声調に変わる。

  • Fǐá nú! 「何かを見せろ!」

二人以上の相手に対する命令では、二人称複数代名詞の 'mì-' を動詞に接頭する。この場合、高声調の動詞は高声調のまま変化しない。

  • Mìvá! 「(君たち)来い!」
  • Mìyi! 「(君たち)行け!」
  • Mìdzi ha! 「(君たち)歌え!」
否定的命令

否定の命令文(禁止、「〜するな」)は、肯定形とは異なり、必ず主語代名詞を明示する必要がある。構造は、否定辞 mé- が融合した主語代名詞の後に ga- を伴い、文末に否定の小辞 o が置かれる。

単数への否定命令
mèga-動詞-o (mè- < mé-è)
  • Mègayi o! - 「行くな!」
複数への否定命令
mìga-動詞-o (mì- < mé-mì)
  • Mìgayi o! - 「(君たち)行くな!」

肯定形との対比は以下の通り。

単数命令
  • 肯定: Ʋu ʋɔtrúá! 「ドアを開けろ!」
  • 否定: Mègaʋu ʋɔtrúá o! 「ドアを開けるな!」
複数命令
  • 肯定: Mìʋu ʋɔtrúá! 「(君たち)ドアを開けろ!」
  • 否定: Mìgaʋu ʋɔtrúá o! 「(君たち)ドアを開けるな!」

完了相

動作の完了は、主動詞の後に動詞 (終わる)を置くことで表現される。

  • Eɖu nu . - 「彼は食事を終えた。」(文字通りには「彼 食べる 事 終わる」)
  • Wowɔ dɔa . - 「彼らはその仕事を終えた。」

否定文

エウェ語は me- ... o で否定を表現する。最初の部分は動詞に接頭し、小辞 o は文の最後に来る。

  • Adidoa metri o. - 「バオバブの木は厚くない。」
  • Agbalẽ la menyo o. - 「その本は良くない。」

命令文の否定(「〜するな」)は、動詞の前に mega- を付け、文末に o を置く。

  • Megayi o! - 「行くな!」
  • Megaƒo nya sia o. - 「その話をするな。」

コピュラ動詞

エウェ語には「〜である」に相当する動詞として nyele の2つがある。Nye は「(物)である」または「(人)である」を意味する。le は、場所や状態を表す存在動詞として機能するほか、継続相を作る助動詞としても用いられる重要な動詞である。

  • Kɔsi nye ŋutsuvi. - 「コシは少年です。」
  • Akɔsua nye nyɔnuvi. - 「アコシュアは少女です。」
  • Agble mawo nye agble gãwo. - 「あれらの畑は大きな畑です。」

Nye は一般的に目的語を伴う。これは「Xは誰ですか?」または「Xは何ですか?」という質問への答えとして使われる。 動詞 le は「(現在)いる」、「(場所に)いる」、「(状態に)ある」、または「(時に)起こる」を意味する。これは「どこ」、「どのように」、「いつ」という質問への答えに適している。

  • Kɔdzo le Lome. - 「コジョはロメにいる。」
  • Akɔsua le afi. - 「アコシュアはここにいる。」
  • Ame la le yibɔɔ. - 「その人は黒い。」
  • Ga la le tsyɔẽ. - 「その金属は鋭い。」
  • Tsi dza le fiẽ me. - 「夕方に雨が降る。」(文字通りには「雨が降る、それは夕方にある」)

所有表現

エウェ語には、英語の "have" や日本語の「持つ」のような、所有を直接表す他動詞が存在しない。代わりに、「(所有物)が(所有者)のところに存在する」という存在文の形で所有を表現する。基本構文は le ... si (〜の元に、〜の所に)である。

  • Ze le ama si. 「アマは壺を持っている。」
  • Agble le ŋutsu la si. - 「その男は畑を持っている。」
  • Nyi ewo le fia si. - 「王は10頭の牛を持っている。」
  • Ga le tɔgbinye si. - 「私の祖父はお金を持っている。」
  • Kpeto le kotoko si. - 「ヤマアラシは穴を持っている。」

「私」と「あなた」では、形は asi- となる。

  • le asinye. - 「私は家を持っている。」(文字通りには「家は私の手の中にある」)
  • le asiwò. - 「あなたは馬を持っている。」
  • Ga le esi. - 「彼はお金を持っている。」
  • le mía si. - 「私たちは家を持っている。」
  • le mia si. - 「あなたたちは馬を持っている。」
  • Ga le wo si. - 「彼らはお金を持っている。」

過去形は nɔ... si または nɔ asi- である。

  • Ga nɔ asinye. - 「私はお金を持っていた。」
  • Avu Kwami si. - 「クワミは犬を飼っていた。」
  • Xɔ me mía si o. - 「私たちは家を持っていなかった。」

他動性と動詞連続構文

他動性

エウェ語の動詞は他動詞か自動詞のどちらかである。他動詞は常に目的語を持ち、自動詞は常に目的語を持たない。 他動詞に特定の目的語がない場合、nu(物、事)またはame(人)が使われ、「何か」または「誰か」として機能する。

  • ɖa nu - 「(何かを)料理する」
  • ɖu nu - 「(何かを)食べる」
  • di ame - 「(誰かを)探す」
  • ƒle nu - 「(何かを)買う」
  • dzra nu - 「(何かを)売る」

いくつかの動詞と目的語の組み合わせは常に一緒に出現する。

  • fa avi - 「泣く」
  • wɔ dɔ - 「働く」
  • do awu - 「美しく着飾る」
  • dze ami - 「油を買う」
  • dɔ alɔ˜ - 「眠る」

他動詞は、補語を持つことができるものとできないものに分けられる。これらは補語を持つことができる。

  • Míeyi. - 「私たちは行った。」
  • Míeyi aƒe. - 「私たちは家に帰った。」
  • ezɔ. - 「彼は歩いた。」
  • ezɔ mɔ did i - 「彼は長い距離を歩いた。」
  • Wode afima. - 「彼らはあそこにいた。」
  • Wode Lome. - 「彼らはロメにいた。」

これらは補語を持つことができない。

  • Ŋutsu la si. - 「その男は走り去った。」
  • eku. - 「彼は死んだ。」
  • Wofe le afi. - 「彼らはここで遊んだ。」
  • Xevi la dzo. - 「鳥は飛んだ。」
  • ege. - 「彼は落ちた。」
  • Miedzo. - 「彼らは出発した。」

これらでは、補語を導入するために別の動詞が必要である。

  • Ŋutsu la si yi Keta. - 「その男はケタへ走り去った。」(文字通りには「その男は走り去り、ケタへ行く」)
  • eku le Lome. - 「彼はロメで死んだ。」(文字通りには「彼は死に、ロメにいる」)
  • Wofe le Kpando. - 「彼らはクパンドで遊んだ。」(文字通りには「彼らは遊び、クパンドにいる」)
動詞連続構文

エウェ語の構文における顕著な特徴として、動詞連続構文(Serial Verb Construction, SVC)が挙げられる。これは、複数の動詞が接続詞を介さずに連続して一つの節を形成するもので、一連の動作、手段、様態、方向などを表現する。

  • Kɔfi tsɔ ga nam. - 「コフィは私にお金を持っ与えた(くれた)。」(文字通りには「コフィ 持つ お金 与える 私を」)
  • Ekplɔm yi suku. - 「彼は私を学校へ連れて行った。」(文字通りには「彼 伴う-私 行く 学校」)

動詞連続構文の文法化

動詞連続構文は非常に生産的であり、構文内で用いられる動詞の一部は、本来の具体的な意味が薄れ、他の言語の前置詞助詞のような文法機能を担うことがある。これは文法化の一例である。

  • tsɔ (取る) → 道具「〜で、〜を使って」
  • Etsɔ he yi lãa. - 彼はナイフ肉を切った。
  • na (与える) → 受益・与格「〜のために、〜に」
  • Meƒle avɔ na Kofi. - 私はコフィのために布を買った。
  • tso (由来する) → 起点「〜から」
  • Eva tso Togo. - 彼はトーゴから来た。
  • ɖo (送る・着く) → 到達点「〜へ」
  • Meɖo ga ɖo Lome. - 私はロメお金を送った。

受動態に相当する表現

エウェ語に受動態の構文はない。主語が不明、不確か、または無関係な場合、3人称複数の代名詞が使われ、「誰か」を意味する。

  • Wowu dzata la. - 「彼らはライオンを殺した / ライオンは殺された」
  • Wotu xɔa. - 「彼らは家を建てた / 家は建てられた」

どちらの意味になるかは、文脈によって決まる。

数詞

1から10まで:

  • 1 - ɖeka
  • 2 - eve
  • 3 - etɔ˜
  • 4 - ene
  • 5 - atɔ˜
  • 6 - ade
  • 7 - adre
  • 8 - enyi
  • 9 - asieke
  • 10 - ewo

11から20まで:

  • 11 - wuiɖekɛ
  • 12 - wuieve
  • 13 - wuietɔ˜
  • 14 - wuiene
  • 15 - wuiatɔ̃
  • 16 - wuiade
  • 17 - wuiadre
  • 18 - wuienyi
  • 19 - wuiasieke
  • 20 - blaeve

接頭辞 wui ewo(10)の短縮形である。20の単語 - blaeve - は2つの束を意味し、babla eve の短縮形である。Bla babla etɔn(3つの束)などを加えたものである。 20の後、「上」または「より多い」を意味する後置詞 を使う。

  • 21 - blaeve vɔ ɖekɛ
  • 22 - blaeve vɔ eve
  • 23 - blaeve vɔ etɔ˜
  • 24 - blaeve vɔ ene, etc
  • 30 - blaetɔ˜
  • 40 - blaene
  • 50 - blaatɔ˜
  • 60 - blaade
  • 70 - blaadre
  • 80 - blaenyi
  • 90 - blaasieke
  • 100 - alafa ɖeka
  • 200 - alafa eve
  • 300 - alafa etɔ˜
  • 400 - alafa ene, etc
  • 1000 - akpe ɖeka
  • 2000 - akpe eve, etc

接続詞

エウェ語には文や語句をつなぐ様々な接続詞がある。

  • kple - と、そして(名詞を繋ぐ)
    • Kofi kple Ama va. - 「コフィとアマが来た。」
  • eye - そして、それで(文を繋ぐ)
    • Eva, eye wòdzo. - 「彼は来て、そして去った。」
  • gake - しかし
    • Medzo, gake matrɔ ava. - 「私は行きます、しかし戻ってきます。」
  • elabena - なぜなら
    • Nyemava o, elabena dɔ lém. - 「私は行けません、なぜなら病気だからです。」
  • ne - もし~なら
    • Ne èva la, kpɔm ɖa. - 「もし来たら、私に会いに来てください。」
  • esime - ~のとき
    • Esime meva la, enɔ dɔ wɔm. - 「私が来たとき、彼は働いていた。」
  • - ~もまた
    • Nye mayi. - 「私も行きます。」

思考や発話の内容を導く接続詞 be は動詞 gblɔ (言う), se (聞く), nya (知る) などの後に続き、引用節や名詞節を導く。

  • Egblɔ be yeva. - 「彼は来たと言った。」(文字通りには「彼 言う こと 彼 来た」)
  • Mese be dɔ le wò. - 「あなたが病気だと聞きました。」

イデオフォン

イデオフォン(擬音語・擬態語)は、音、色、形、様子、感情などを生き生きと描写するために使われる。

  • gbadzaa - 広々としている様子
    • Mɔ la le gbadzaa. - 「その道は広々としている。」
  • kplefuu - どんよりと曇っている様子
    • Yame le kplefuu. - 「空はどんよりと曇っている。」

命名体系

エウェ族には、生まれた曜日によって子供に名を付ける伝統がある。これは、子供の本当の名前はその子の人格が明らかになってから決まるという考えに基づくものであるが、それまでの間、生まれた曜日に基づく名前で呼ばれる。正式な名前は生後7日目の命名式で与えられる。

近年では、多くのエウェ人が自身の伝統への誇りから、西洋風の名前ではなくこの曜日名を公的な名前として使用している。

エウェの曜日名
曜日 男性名 女性名
月曜日 (Dzoɖagbe) Kɔdzo (Kwadzo, Kojo) Adzo, Adzowɔ
火曜日 (Braɖagbe) Kɔmla, Kwabla Abra, Abla
水曜日 (Kuɖagbe) Kɔku, Kwaku Aku, Akuwɔ
木曜日 (Yawoɖagbe) Yao, Yaw Yawa, Awo
金曜日 (Fiɖagbe) Kofi Afua, Afi, Afiwa
土曜日 (Memliɖagbe) Kɔmi, Kwami Ama, Ami
日曜日 (Kɔsiɖagbe) Kɔsi, Kwasi Akɔsia, Akɔsua, Esi

同じ曜日名の子供を区別するため、年長者には -gã(大きい)、年少者には -vi(小さい)といった接尾辞を付けて呼ぶことがある。例えば、二人目のコフィが生まれると、最初のコフィは「コフィガ」(Kofigã) となる。

社会的地位

エウェ語はトーゴ国語の一つである。また、ガーナでは政府の支援を受ける公認地域言語の一つとして、初等教育やメディア、公共の場で広く使用されている。

文学

エウェ語で書かれた最初の小説は、サム・J・オビアニム(Sam J. Obianim)による『Amegbetɔa alo Agbezuge ƒe Ŋutinya』(1949年、人間、あるいはアグベズゲの物語)とされている。また、フェルディナンド・クワシ・フィアウォ(Ferdinand Kwasi Fiawoo)による戯曲『Tɔkɔ Atɔ̃lia』(第五の上陸地点)も、エウェの歴史を描いた重要な文学作品である。

脚注

  1. ^ Ameka, Felix K. (1991). Ewe: Its Grammatical Constructions and Illocutionary Devices. Australian National University: Sydney.
  2. ^ ヴェンダ語にも同様の区別があるが、その場合は [f][v] が持ち上がるのではなく、[ɸ][β] がわずかに円唇化する。(Hardcastle & Laver, The handbook of phonetic sciences, 1999:595)
  3. ^ Jim-Fugar, Kodzo Nusetor; Jim-Fugar, Nicholine (2017). Nuseline's Ewe-English Dictionary. Independently published. p. 5. ISBN 978-1521040188 

参考文献

関連項目

外部リンク


エウェ語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/29 17:19 UTC 版)

フックつき文字」の記事における「エウェ語」の解説

ɖ, ƒ, ŋ, ʋ が用いられる。ƒ, ʋ はそれぞれ /ɸ/, /β/ を表す。

※この「エウェ語」の解説は、「フックつき文字」の解説の一部です。
「エウェ語」を含む「フックつき文字」の記事については、「フックつき文字」の概要を参照ください。

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エウェ語

出典:『Wiktionary』 (2021/07/25 07:26 UTC 版)

名詞

エウェ(えうぇご)

  1. ガーナトーゴなどのエウェ人によって話されている、ニジェール・コンゴ語族グベ語群属す言語

翻訳

  • 英語: Ewe
  • エウェ語: Eʋe, Eʋegbe



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