ウイルス検出手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 09:31 UTC 版)
「COVID-19の検査」の記事における「ウイルス検出手順」の解説
国立感染症研究所が2020年2月5日に発表し、その後も改訂を続けている「病原体検出マニュアル 2019-nCoV」によれば、新型コロナウイルスの検出手順の概要は以下のようになる。 検体の取り扱いは、バイオセーフティーレベル(BSL)2+でおこなう。PCR検査法は2019-nCoVの遺伝子領域からオープンリーディングフレーム(ORF)1aとスパイクタンパク質(S)を検出する2-step RT-PCR 法(2ステップ逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法)またはリアルタイム one-step RT-PCR 法(TaqMan プローブ法)が使用される。 RNAの抽出 キアゲン(QIAGEN)社のQIAamp Viral RNA Mini Kit (QIAGEN、Cat.No.52904)を用いるが、他のRNA抽出キットでもよい。 2-step RT-PCR 法による定性的検出法 RT-PCRにより目的のサイズのバンドが現れた場合は陰性判定、バンドがあった場合、各施設における1例目についてはシークエンス解析を行ったうえで陽性判定、2例目以降は陽性判定。 SuperScript IV Reverse Transcriptase (RT) (Thermo:サーモフィッシャーサイエンティフィック) Quick Taq HS Dymix (Toyobo:東洋紡) PrimeScript RT reagent Kit, Takara RR037A(タカラバイオ) PerfectShot Ex Taq, Takara RR005A (タカラバイオ) Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System, Promega A9281(プロメガ) それぞれ、類似品を用いることも可能。 リアルタイム one-step RT-PCR 法(TaqMan プローブ法)による2019-nCoVの検出 リアルタイムPCRでは、反応時間内に増幅曲線の立ちあがりが見られた場合に陽性となる。1つの検体から、プライマー濃度の異なる2サンプル(N、N2)を調整し、各2ウェルで反応させる。N2の一方あるいは両方で陽性の場合、陽性判定。N2が陰性でNのみ陽性だった場合は再試験推奨。N、N2ともに陰性だった場合は陰性判定。 QuantiTect Probe RT-PCR Kit (QIAGEN Cat#204443) AgPath-ID One-step RT-PCR Reagents (Thermo Cat# AM1005) TaqMan Fast Virus 1-Step Master Mix (Thermo Cat#4,444,432) One Step PrimeScript RT-PCR Kit (Perfect Real Time)(タカラバイオ Cat# RR064A) THUNDERBIRD Probe One-step qRT-PCR Kit (東洋紡 Cat# QRZ-101) Reliance One-Step Multiplex Supermix(Bio-Rad Cat# 12010220) 2019-nCoV検出に利用できる各反応試薬と機器の組合せが示され、他試薬でも検出感度が担保できれば使用可能。 「リアルタイムPCR」も参照
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