インドラ・ヴァルマン6世
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/03 05:15 UTC 版)
巴的吏(バドラ、Bhadra、生年不詳 - 1441年)は、チャンパ王国(占城国)の15世紀の国王(在位:1400年または1401年 - 1441年)。『明史』は占巴的頼と書く。碑文に見える梵語王号はバドラ(Bhadra、正確にはヴィーラバドラヴァルマン Vira Bhadravarman)であり、『大越史記全書』に見える漢語王号の巴的吏と対応する。『明史』の占巴的頼をチャンパーディラージャ(Campadiraja)の音訳とする説もあるが、この時期の梵語・チャム語碑文の王号はチャンペーシュヴァラ(Campesvara)であって、チャンパーディラージャではない。また、この時期のチャンパ王都ヴィジャヤは諸蕃志のいう新州、『大越史記全書』のいう闍槃(南ベトナムの中央、いまのビンディン省クイニョン市北方)であったと考えられる。
生涯
チャンパ王即位
羅皚の子。ビンディン碑文によれば、1401年、父王が死去すると、後を継いで即位した(バドラ Bhadra の梵名はここに現れる。なお碑文本文は梵語ではなくチャム語である)。大越史記全書では1400年の即位。北ベトナムの胡朝の侵攻を受けて敗北し、かつて諸蕃志などの中国史料が旧州と呼んだ地域(南ベトナムの北方)のほぼすべてを大越(胡朝の簒奪後は大虞)に占領された。
北属期
明に援助を求め、1407年に永楽帝がベトナムに兵を送って胡朝を滅ぼし(明胡戦争、明・大虞戦争)、第四次北属時期(1407年-1427年)に入った。1408年、鄭和の使節を迎え、その返礼として王孫の舎楊該を明に送った。
1415年、北ベトナムで陳季拡を支援していたことが発覚し、明に謝罪の使者を送った。
藍山蜂起(1418年 - 1428年)。1418年、王孫の舎那挫を明に送った。
1426年、明の黄原昌を迎え、正朔を受けた。
闍槃王朝
丑の年(1433年)、パーンドゥランガ朝(Panduranga、37年前の丑の年=1397年にJekに滅ぼされたBal Angueiのチャム人の後継王朝)が再興される。これは巴的吏治下のチャンパ(闍槃王朝)から分離したと考えられる。
1436年、明への朝貢が年一貢から三年一貢に改められた。
最後
1441年に逝去(この年代はビエンホア碑文のクロノグラフ(サンカラ、ソンコロ)のLouis Finot, 1915による解釈。AymonierやCabatonは別の年代を挙げる)。
影響
1471年にチャンパ・大越戦争で大越黎朝(1428年 - 1788年)が侵攻し、闍槃王朝が滅亡。
関連項目
- マウラナ・マリク・イブラヒーム(スーフィズム、ワリ・サンガ)。14世紀末~15世紀初めのチャム王女に関する伝説集であるチャム写本「ダムヌイ・ポーシャハイヌー」によれば、パーンダランのパジャイ地方でイスラームを布教した二人兄弟の師または父の名はポーシワン(Po Siwan、またはポーアヌシルワン Po Anusirwan)とされ、マウラナ・マリク・イブラヒムとイスラーム学統上の関係があったと考えられる。
|
|
インドラヴァルマン6世
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 14:06 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動 ジャヤ・インドラヴァルマン6世 जय इन्द्रवर्मन् ६ |
|
---|---|
チャンパ王 | |
在位 | 1253年 - 1257年 |
|
|
全名 | ハリデーヴァ |
死去 | 1257年 |
王朝 | 第12王朝 |
父親 | ジャヤ・ハリヴァルマン2世 |
ジャヤ・インドラヴァルマン6世(サンスクリット語: जय इन्द्रवर्मन् ६, ラテン文字転写: Jaya Indravarman VI, 生年不詳 - 1257年)は、チャンパ王国(占城国)第12王朝の後期第2代国王(在位:1253年 - 1257年)。初名はハリデーヴァ(サンスクリット語: हरिदेव, ラテン文字転写: Harideva)。
生涯
ジャヤ・パラメーシュヴァラヴァルマン2世の弟[1][2]。ユーヴァラージャ時代の1249年にパーンドゥランガ出兵の指揮を執った[1]。
1253年に兄王が太宗率いる陳朝大越軍に捕らえられる[3][4]とその後を嗣いで即位した[1]。「全ての科学を知り、様々な学派の哲学に通じた」とされた[1]が、1257年に外甥のジャヤ・ハリデーヴァに暗殺された[1]。この時に弟の宝脱禿花は左右の親指を斬られたとされる。
出典
参考資料
- George Cœdès (May 1, 1968). The Indianized States of South-East Asia. University of Hawaii Press. ISBN 978-0824803681
- Daniel George Edward Hall (1981/05/01). History of South-East Asia. Macmillan Press. ISBN 978-0333241639
- Geetesh Sharma (2010). Traces of Indian Culture in Vietnam. Rajkamal Prakashan. ISBN 978-8190540148
- 『東南アジア史 I 大陸部』石井米雄、桜井由躬雄編、山川出版社〈新版 世界各国史 5〉、1999年12月20日。 ISBN 978-4634413504。
- 『元史』巻二百十 列伝第九十七 外夷三 占城
- 『大越史記全書』本紀巻之五 陳紀 太宗皇帝
|
|
固有名詞の分類
チャンパ王 |
范鎮龍 ジャヤ・シンハヴァルマン3世 インドラヴァルマン6世 摩訶賁該 ジャヤ・シンハヴァルマン5世 |
- インドラ・ヴァルマン6世のページへのリンク