イタリフィルムとは? わかりやすく解説

イタリフィルム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/05 15:14 UTC 版)

イタリフィルム有限会社
Italifilm Co., Ltd.
種類 有限会社
市場情報 消滅
本社所在地 日本
東京都千代田区有楽町1-1 日活国際会館
設立 1949年2月
業種 商社
事業内容 イタリア映画の輸入配給
日本映画の輸出
代表者 ジュリアーナ・ストラミジョーリ
関係する人物 曾我正史
特記事項:
1949年2月 設立
1962年3月 曾我正史に営業譲渡
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イタリフィルム有限会社(Italifilm Co., Ltd., 1949年2月 設立 - 1962年3月 売却)は、かつて存在した日本の映画会社である[1]

略歴・概要

イタリア映画の日本への輸入配給、および日本映画の輸出を目的として、第二次世界大戦後の1949年(昭和24年)2月に東京・千代田区に設立された[1]。社長はジュリアーナ・ストラミジョーリ。初年度の配給を東宝に委託し、同年9月6日、『戦火のかなた』を第1回作品として公開した[2]。以降、松竹新外映日活、エイショウ・トレイディング・カンパニー、ニッポンシネマコーポレーション(NCC)と共同配給、あるいは単独でイタリア映画を多く紹介した。

大映京都撮影所が製作し、1950年(昭和25年)8月25日に大映が公開した黒澤明監督の『羅生門』を第12回ヴェネツィア国際映画祭に出品すべく尽力[3]、結果、同作は1951年(昭和26年)、金獅子賞およびイタリア批評家賞を受賞する[4]

1958年(昭和33年)11月、大蔵省の方針によって拡大し、営業部長河合淳、宣伝部長中村二郎となる[5]

1962年(昭和37年)3月、1億円弱の負債とともに『』、『夏の嵐』等をかつて共同配給したNCCの元会長で、大映の元専務取締役の曾我正史に営業譲渡し、ストラミジョリ社長は引退する[3]。曾我はこの営業権をもって、翌1963年(昭和38年)7月、東京第一フィルムを設立する[3]

おもなフィルモグラフィ

キネマ旬報映画データベースに見られる配給作品の一覧であり、日本での配給作品のみである[6]。特筆以外の製作国はイタリア、製作順。

1940年代

1950年代

1960年代

  • 『危険なデイト』 I Piaceri Del Sabato Notte : 監督ダニエレ・ダンツァ、主演ジャンヌ・ヴァレリー、1960年製作
  • 『バッカスの狂宴』 Le Baccanti : 監督ジョルジョ・フェローニ、主演タイナ・エルグ、1960年製作
  • 暗殺指令Vento del Sud : 監督エンツォ・プロヴェンツァーレ、主演クラウディア・カルディナーレ、1960年製作
  • 『ローマで夜だった』 Era Notte a Roma : 監督ロベルト・ロッセリーニ、主演ジョヴァンナ・ラリ、1960年製作
  • 若者のすべてRocco e i suoi Fratelli : 監督ルキノ・ヴィスコンティ、主演アラン・ドロン、1960年製作
  • 『ゼロ地帯』 Kapo' : 監督ジロ・ポンテコルヴォ、主演スーザン・ストラスバーグ、1960年製作
  • 甘い生活La Dolce Vita : 監督フェデリコ・フェリーニ、主演マルチェロ・マストロヤンニ、1960年製作
  • 太陽の誘惑I Delfini : 監督フランチェスコ・マゼリ、主演クラウディア・カルディナーレ、1960年製作
  • 情事L' Avventura : 監督ミケランジェロ・アントニオーニ、主演ガブリエレ・ フェルゼッティ、1960年製作
  • 十七歳よさようならI Dolci Inganni : 監督アルベルト・ラットゥアーダ、主演カトリーヌ・スパーク、1960年製作
  • カルタゴCartagine in fiamme : 監督カルミネ・ガローネ、主演ホセ・スアレス、1960年製作
  • 『汚れた英雄』 Il Gobbo : 監督カルロ・リッツァーニ、主演ジェラール・ブラン、1960年製作
  • 『グラマー西部を荒らす』 Tonight for Sure : 監督フランシス・フォード・コッポラ、主演ドン・ケニー、 アメリカ合衆国1961年製作
  • 『生血を吸う女』 IL Mulino Delle Donne Di Pietra : 監督ジョルジョ・フェローニ、主演ピエール・ブリス、 イタリア/ フランス1961年製作
  • 『マラカイボ大要塞』 Il Conquistatore Di Maracaibo : 監督ユージェニオ・マルティン、主演ハンス・フォン・ボルソディ、1961年製作
  • 甘い暴力Douce Violence : 監督マックス・ペカス、主演ピエール・ブリス、 フランス1963年製作、 日本 同年6月29日公開[7]

関連事項

  1. ^ a b 『電通広告年鑑 1956年』、電通、1956年、p.744.
  2. ^ a b 日本映画発達史 III 戦後映画の解放』、田中純一郎中公文庫、1976年2月10日 ISBN 4122003059, p.368-369.
  3. ^ a b c 日本映画発達史 IV 史上最高の映画時代』、田中純一郎、中公文庫、1976年3月10日 ISBN 4122003156, p.451.
  4. ^ Rashômon - IMDb(英語), 2010年7月27日閲覧。
  5. ^ 『日本映画発達史 IV 史上最高の映画時代』、p.348.
  6. ^ キネマ旬報映画データベース、2010年7月26日閲覧。
  7. ^ 甘い暴力、キネマ旬報映画データベース、2010年7月28日閲覧。




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