イタリア国鉄R370
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/13 16:12 UTC 版)
「イタリア国鉄980蒸気機関車」の記事における「イタリア国鉄R370」の解説
シチリア島の950mm軌間の路線のうち、島内山間部の5路線は最急勾配75パーミルで建設されて農産物や水産物のほか、硫黄鉱石を輸送していた。これらの路線用に導入されたR370は1911-29年にイタリアのSaronnoおよびOTOで計48機が製造されたもので、ラック式の蒸気機関車の単一形式としては欧州最多機数の形式となっている。本形式は、全伝熱面積76.29m2、自重/運転整備重量30.1t/38.1tで動輪径は950mm、ピニオン径が860mmであるほか、シリンダ径が粘着式駆動装置用、ラック式駆動装置用ともに400mmとなっている。 1950年代頃からの硫黄の需要の減少などにより、シチリア島の950mm軌間のイタリア国鉄路線は1959年までにほとんどが廃止され、本形式も路線の全廃と合わせて全機廃車され、廃車後はピエトラルサ国立鉄道博物館のR370 023号機ほか、R370 002、012、018、024の各号機が静態保存されている。また、ラック式駆動装置を撤去した上でイタリア西部地中海のサルデーニャ島の南サルデーニャ鉄道とイタリア石炭公社に輸送量石炭列車の牽引用として、それぞれ12両と10両が譲渡されて南サルデーニャ鉄道で1971年まで運行されていた。
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