アルピーヌ・A480とは? わかりやすく解説

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レベリオン・R13

(アルピーヌ・A480 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/31 16:45 UTC 版)

レベリオン・R13
カテゴリー ルマン・プロトタイプ1
(LMP1)
コンストラクター オレカ
先代 レベリオン・R-One
後継 アルピーヌ・A424
主要諸元
シャシー カーボンファイバー コンポジット モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン式サスペンション, プッシュロッド operated over ダンパー
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン式サスペンション, プッシュロッド operated over ダンパー
全長 4,645 mm (183 in)
全幅 1,895 mm (75 in)
全高 1,045 mm (41 in)
トレッド
  • front 1,560 mm (61 in)* rear 1,550 mm (61 in)
ホイールベース 2,905 mm (114 in)
エンジン ギブソン GL458[1] 4.5L V8 NA ミッドシップ, 縦置き
トランスミッション エクストラック 6速 シーケンシャル
エクストラック Viscous mechanical locking differential
出力 670 bhp (679 PS; 500 kW)
重量 833kg (1836.5 lb)
燃料 トタル
タイヤ ミシュラン
主要成績
チーム レベリオン R13
レベリオン・レーシング

アルピーヌ A480
アルピーヌ・エルフ・マットムート
初戦 2018年 スパ・6時間
出走 優勝 表彰台 ポール Fラップ
27 5 24 6 6
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レベリオン・R13は、スイスを拠点とするチーム、レベリオン・レーシングとフランスのコンストラクター、オレカが製造したル・マン・プロトタイプである。[2]オレカ・07をベースに、LMP1クラスに参戦する為に製作されたバリエーションモデル。その後2021,22年に、ル・マン・ハイパーカー(LMH)クラスに特例で参戦可能となった際、同シーズンに参戦するアルピーヌによってアルピーヌ・A480に名称が変更された。[3]こちらについても記述する。

レース戦績

2018-19年シーズン

R13は2018-19年のFIA 世界耐久選手権(WEC)でデビューした。シーズン中、2018年のシルバーストン6時間レースで優勝とファステストラップを達成し[4]、2018年の富士ル・マン24時間レースの両方で表彰台を獲得し、シーズンで合計6回の表彰台を獲得した。レベリオンは134ポイントでLMP1クラスの2位で終了し、R13はノンハイブリッド車の中ではトップとなった。

2019-20年シーズン

2019-20年シーズンは、レベリオンはフルシーズン参戦を1台に減らした。メネゼスナトセナがドライブする1号車で、ヨーロッパの一部のレースに2台目となる3号車が参戦する。[5]3号車は、2019年のシルバーストン4時間レースで3位、2020年のル・マン24時間レースで4位となったが、これらの結果はチャンピオンシップにはカウントされず、1号車のみがポイントの対象となった。

今シーズン、WECはハイブリッド車であるトヨタ・TS050 HYBRIDと、ノンハイブリッド車であるR13と、ジネッタ・G60-LT-P1のパフォーマンスを同等にすることを目的として、チャンピオンシップでの結果に応じて車のパフォーマンスを低下させるサクセス・ハンディキャップを導入した。このシステムにより、R13はTS050との競争力が高まり、1号車は上海オースティンで2勝を挙げた。上海ではレベリオンはWEC史上、総合でポールポジションを獲得した最初のプライベーターチームとなった。これは、シーズン中にR13が獲得した4連続のポールポジションの始まりであり、残りはバーレーン、オースティン、スパだった。またオースティン、スパ、ル・マンでシーズン中に3回のファステストラップを記録。トヨタがル・マンでLMP1のチームタイトルを獲得した後、レベリオンはバーレーンでの最終戦をキャンセル。その結果、145ポイントで2位に終わり、参戦したシーズン7ラウンド全てで表彰台を獲得した。

アルピーヌ・A480

2021年 アルピーヌ・A480

WEC 2019-20年シーズンはLMP2クラスに出場した、シグナテックアルピーヌが、新たなステップアップで翌年から始まるル・マン・ハイパーカー(LMH)クラスに、2021,22年に限りノンハイブリッドLMP1マシンが参戦できる特例を使って、アルピーヌのバッジネームを付けたレベリオン・R13で参戦という報道があり、[6]その後アルピーヌによって発表された。[7] 2021年1月21日、2021年WECのエントリーリストが発表され、アンドレ・ネグラオがドライバーの1人として発表され、マシン名はアルピーヌ・A480に名前が変更された。[8]残りの2人は1月26日に発表され、ニコラ・ラピエールマシュー・バキシビエールが加わった。[9]ラピエールは2017年のWECにてトヨタから参戦して以来の最高峰クラス復帰、ネグラオとバキシビエールは初めての最高峰クラス参戦となった。

初期のLMHルールは2020年LMP1マシンよりも低いパフォーマンスを目標としており[10]サルト・サーキットのラップが約10秒遅くなるよう、以下の大幅な変更を加える必要があった。

  • シーズンを通してすべてのサーキットで、単一のエアロキット(ル・マンに焦点を当てた「ローダウンフォースキット」)を使用する。
  • クラスの参戦する車の同等性を確保する為、新たにハイパーカークラスのバランスオブパフォーマンス英語版(BoP)の設定。

さらに、ホモロゲーションを満たすために燃料タンクを変更する必要は無かったが、シャーシ内の燃料容量は元々LMP2ルールの75Lに設計されていた[11]。しかしLMHマシンの規定燃料タンクは90Lだった。A480のBoP燃料制限はサルト・サーキットを12周走行できるよう設定されていたが、この許容燃料を小さいタンクに物理的に収めることはできず、オレカもホモロゲーションと互換性のある回避策を見つけることができなかった[12]。結果トヨタと比較してピットストップが多く必要となった。

2021年

2021年シーズンの出場チームのシーズン前テストであるスパでのプロローグに先立って示されたBoP英語版の結果、アルピーヌ・A480の車量は930kgに増加し、ピーク出力は603bhp(450kW)に減少した。[13]この変更はLMP1カーのパフォーマンスを、ハイパーカー規定に従って製造された、トヨタ・GR010 HYBRIDのレベルまで下げることを目的としていた。

アルピーヌは、6レース全てで表彰台を獲得し、ポルティマオ8時間でポールポジションとファステストラップを記録、128ポイントを獲得し、LMHクラス2位に終わった。

2022年

2022年2月16日、アルピーヌはラピエール、ネグラオ、バキシビエールの前年と同じドライバーラインナップを発表した[14]

FIA 世界耐久選手権の戦績

チーム クラス No. ドライバー Rds. 1 2 3 4 5 6 7 8 Pts. Pos.
レベリオン・R13としての戦績
2018-19 レベリオン・レーシング LMP1 1 ニール・ジャニ All SPA
DSQ
LMS
4
SIL
2
FUJ
3
SHA
4
SEB
Ret
SPA
5
LMS
4
134 2位
ブルーノ・セナ All
アンドレ・ロッテラー 1–5,7–8
マティアス・ベシェ 6
3 トーマス・ローラン英語版 All SPA
3
LMS
3
SIL
1
FUJ
Ret
SHA
5
SEB
7
SPA
2
LMS
5
グスタヴォ・メネゼス All
マティアス・ベシェ 1-5
ナタナエル・ベルトン英語版 6-8
2019-20 レベリオン・レーシング LMP1 1 ブルーノ・セナ 1-7 SIL
9
FUJ
3
SHA
1
BHR
3
COA
1
SPA
3
LMS
2
BHR 145 2位
グスタヴォ・メネゼス 1-7
ノーマン・ナト 1-7
3 ナタナエル・ベルトン英語版 1,7 SIL
3
FUJ SHA BHR COA SPA LMS
4
BHR
ピポ・デラーニ 1
ロイック・デュバル 1
ロマン・デュマ 7
ルイ・デレトラズ 7
アルピーヌ・A480としての戦績
2021 アルピーヌ・エルフ・マットムート LMH 36 ニコラ・ラピエール All SPA
2
POR
3
MNZ
2
LMS
3
BHR
3
BHR
3
128 2位
アンドレ・ネグラオ英語版 All
マシュー・バキシビエール英語版 All
2022 アルピーヌ・エルフ・チーム LMH 36 ニコラ・ラピエール All SEB
1
SPA
2
LMS
23
MNZ
1
FUJ
3
BHR
3
144 2位
アンドレ・ネグラオ英語版 All
マシュー・バキシビエール英語版 All

参照

脚注

  1. ^ Gibson signe un contrat avec REBELLION Racing et ORECA pour la Super Saison 2018/2019”. franceracing.fr (2018年2月15日). 2018年2月27日閲覧。.
  2. ^ ORECA Confirm Rebellion R13 Moniker For New LMP1 Contender – dailysportscar.com”. www.dailysportscar.com. 2020年8月26日閲覧。
  3. ^ アルピーヌ、WECハイパーカークラスに参戦するノンハイブリッドLMP1マシン『A480』を公開”. autosport web. 2021年3月17日閲覧。
  4. ^ 本来の優勝はトヨタ・ガズー・レーシングの8号車だったが、スキッドブロックの違反により失格となったため、3号車が繰り上がりで優勝となった。
  5. ^ Gary Watkins (2019年7月17日). “Rebellion set to slim down to single WEC entry for 2019/20”. motorsport.com. 2021年4月24日閲覧。
  6. ^ John Dagys (2020年9月10日). “Report: Signatech Alpine to LMP1 for 2021”. sportscar365.com. 2021年1月21日閲覧。
  7. ^ “ALPINE ENDURANCE TEAM CONFIRMS LMP1 ENTRY FOR 2021 FIA WEC SEASON”. FIA. (2020年9月14日). https://www.fia.com/news/alpine-endurance-team-confirms-lmp1-entry-2021-fia-wec-season 2021年1月21日閲覧。 
  8. ^ “2021 FIA WEC Entry List Revealed”. FIA WEC. (2021年1月21日). https://www.fiawec.com/en/news/2021-fia-wec-entry-list-revealed/6964 2021年1月21日閲覧。 
  9. ^ Alpine Elf Matmut announces 2021 driver line-up”. FIA WEC (2021年1月26日). 2021年1月26日閲覧。
  10. ^ WEC: Alpine LMP1 gets hefty weight increase for Spa opener” (英語). www.motorsport.com. 2022年3月10日閲覧。
  11. ^ Alpine expects fuel mileage disadvantage for full WEC season” (英語). www.motorsport.com. 2022年3月11日閲覧。
  12. ^ Alpine wants WEC BoP changes to ease fuel mileage concerns” (英語). www.motorsport.com. 2022年3月11日閲覧。
  13. ^ John Dagys (2021年4月23日). “Starting BoP Established for Hypercar, GTE Classes”. sportscar365.com. 2021年4月24日閲覧。
  14. ^ アルピーヌ、2022年も体制継続。LMP1ノンハイブリッド車両でWECハイパーカー・クラスに参戦”. autosport web. 2022年2月19日閲覧。

アルピーヌ・A480

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/06 06:19 UTC 版)

オレカ・07」の記事における「アルピーヌ・A480」の解説

アルピーヌシグナチュール・チーム組み2021年からWEC最高峰クラスとなる「ハイパーカー」(LMHクラス従来LMP1(ノンハイブリッド)車両今年限りエントリーできること活かし2020年レベリオン・レーシング走らせていたマシン「R13」を引き継ぐ形でLMHクラス参戦する車名は「アルピーヌ・A480」となる。2021年からWECLMHクラス特徴1つで、参加車両同等性を確保するためのバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)の追加がある。BoPシステム結果2021シーズン出場車両シーズン前テストとして機能したスパでのプロローグ先立ち、A480の車両重量は930kgに増加しピーク出力は603bhp(450kW)に減少した

※この「アルピーヌ・A480」の解説は、「オレカ・07」の解説の一部です。
「アルピーヌ・A480」を含む「オレカ・07」の記事については、「オレカ・07」の概要を参照ください。

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