アメリカ人の一世に対する印象
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/19 09:36 UTC 版)
「一世 (日系人)」の記事における「アメリカ人の一世に対する印象」の解説
アメリカ人は一般に一世を、粗野で無学な人間が多いと見ていた。これは、大部分の日本人が農業のような、当時のアメリカでは低く見られていた仕事で働くことを余儀なくされていたことに原因があると考えられている。アメリカには労働者としての移民が多くいたため、アメリカ人は移民に対して比較的否定的な見方を持ちがちだった。実際には、大部分の一世は教養があり、彼らうち60%は高等小学校を、21%は中学校若しくは実業学校を卒業しているなど、一般的な日本人より高等教育を受けている者の割合が高く、その水準は当時のアメリカにも匹敵するものだった。 キリスト教徒、仏教徒、無宗教者に関わらず、一世は行政当局においてトラブルを起こすことは殆ど無かった。1902年から1960年代へかけての一世の検挙率は、カリフォルニア州における他のマジョリティを占めるいずれの民族集団と比較しても低かった。ごく少数の例外として、一部の若い一世が賭博や売春に関する犯罪を犯したこともあったが、それは文化的な価値観の違いから生じるものだった。 一世には仏教から来る社会的倫理観が深く根付いていたため、反社会的な行動を控える傾向があった。また、彼らは自分達行動が原因で、アメリカにおける日本政府に対するイメージが悪化することに神経を尖らせていた。
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