アメリカ人の報復
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/01 15:03 UTC 版)
「サンディエゴ計画」の記事における「アメリカ人の報復」の解説
メキシコ国内では米国軍を追い払ったと宣伝が行われ、民衆は一時的には溜飲を下げたが、米国内に居住するメキシコ人や米国籍を持つ元メキシコ人は想像を絶する辛酸をなめることになった。 この期間中、軍が襲撃者を制圧・追跡する一方で、各州においては警察や新たに結成された自警団が治安維持を行った。治安維持とは主に襲撃者に対する内通者の摘発を意味した。襲撃者に情報提供した、武器や食料を供与した、果ては襲撃者の一団が通り過ぎるのを見過ごしたなどの罪状でメキシコ人およびメキシコ系アメリカ人達は裁判なし、あるいは行われたとしてもごく簡単な審理をもって大多数が死刑判決を受け処刑された。 特にテキサス州ではテキサス・レンジャーが大増員されテキサス州内の「治安維持」にあたったが、「法の執行官」とは名ばかりの「ならず者」も多数含まれ、特に米国内に土地を持つ住民らに対してあらぬ嫌疑で処刑を次々に行い、結果としてこれら不動産を強奪していった。このテキサス・レンジャーの行状の酷さは以下のことから容易に想像ができる。 後日の連邦議会による調査で判明しただけでも、南テキサス地域においてメキシコ人あるいはメキシコ系アメリカ人が1年半の間に300人以上、裁判無しで処刑された。 (アメリカ正規軍である)陸軍をして、「彼らと行動を共にすることによって自分達の評判に傷が付く」と心配し、テキサス・レンジャーとの関わりを避けるようになった。 結果として、米アメリカ人の死者は民間人と軍人を合わせてテキサス州内で20人ほど、全米で百数十名に対し、メキシコ系死者は正確な調査はないものの数千人に及んだと推測されている。
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