アナログ (麻雀)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/14 06:05 UTC 版)
![]() |
麻雀において、アナログとは、抽象的な要因を反映させた戦術論のことをいう[1]。この場合の「抽象的な要因」としては、「ツキ」「流れ」「勢い」「運」といったものが挙げられる。対極の考え方にデジタルがある。アナログを認めないデジタル派は、アナログを非合理的なものとしてオカルトと呼ぶこともある(後述)。
アナログの戦術論においては、自分や対戦相手の「運」や「勢い」の状態、「ツモの流れ」といったものの考察が行われる。典型的な例を挙げると、「Aは前の局で大物手を和了した。そのことによってAの運は上昇したと思われる。」といった具合である。そしてそうした考察を、たとえば「上り調子のAのリーチには逆らわないほうがいい。」といった具合に、実際の行動に反映させる。
アナログ思想は、麻雀ブームの立役者となった阿佐田哲也や小島武夫が「運」や「流れ」といった概念を常用したこともあり、麻雀論において非常に有力となった。1990年に「リーチ麻雀論改革派」(天野晴夫著・南雲社)が出版されて以降は、麻雀論からの抽象の排除を主張するデジタル論も盛んであるが、現在も井出洋介、金子正輝、土田浩翔、飯田正人などのトッププロをはじめ、アナログ思想にたつ雀士は数多い。
アナログの初出
麻雀におけるアナログという言葉は、デジタルという言葉の対立概念として同時に登場した。小林剛によると、デジタルという言葉が麻雀の世界に登場したのは、嶺岸信明の漫画『勝負師の条件』(1988)であり[2]、そこでは「アナグロ」という、今日でいうアナログに相当する言葉もまた用いられている[3]。ここでは、ポーカーはデジタルなゲームであり、麻雀はアナグロなゲームであると述べられており、アナログ・デジタルという言葉の原義に近い用法で用いられている。
異論
ネマタ説
アナログとは、個別の判断を重視する打ち方。デジタルとは、打牌基準をシステム化して、それを重視する打ち方。重視する部分が異なるだけで、正着に近づくほど両者は一体化する[4]。
抽選(配牌、ツモなど)は、選択(打牌、鳴き、リーチなど)や結果(アガリ、振りこみなど)の影響を受け、選択によって抽選を変えられるとする理論がオカルトであり、その逆はロジカルである[5]。
脚注
- ^ 鈴木たろう,小林剛,村上淳『デジタル麻雀の達人』マイナビ出版、2008年、100頁。ISBN 9784839927349。
- ^ 『スーパーデジタル麻雀』竹書房、2016年、2頁。 ISBN 9784801907393。
- ^ 嶺岸信明『勝負師の条件』 1、竹書房、1988年、196頁。 ISBN 9784884754280。
- ^ 勝つための現代麻雀技術論 洋泉社 2016年3月4日第5刷発行 ISBN 4800303109 P189
- ^ 勝つための現代麻雀技術論 洋泉社 2016年3月4日第5刷発行 ISBN 4800303109 P117
関連項目
- 牌賊! オカルティ (デジタル対オカルトの戦いを描いた麻雀漫画)
「アナログ (麻雀)」の例文・使い方・用例・文例
- 私はデジタルとアナログの違いを表に記入しました。
- アナログ時計.
- アナログ素子
- 微分方程式を解くよう考案されたアナログコンピュータ
- ディジタル信号をアナログ信号に変換する装置
- アナログ信号をディジタル信号に変換する装置
- 迅速な計算のために使用されるコンパクトなサイズの器具からなるアナログ・コンピュータ
- アナログ情報をデジタル情報へ変換すること
- デジタル時計が一般的になるまでは、アナログ時計と耳にするものはいなかった。なので、'アナログ時計'はレトロニムだ
- 1セットの3つ以上の寸法における閉曲面かアナログのものなどの先
- 米国の電気技術者で、初期のアナログコンピュータを設計し、第二次世界大戦中に米国の科学計画を指導した(1890年−1974年)
- 音のまたはアナログ電気信号の波形においての変化(通常望まれない)
- コルチゾールの脱水素化されたアナログ(商標名オラソン、デルタゾン、Liquid Pred、Meticorten)
- 抽出されたアナログ信号の正確な再生を可能にするもっとも低い抽出比率
- アナログ量
- デジタルとアナログの両方の表示機能をもつもの
- デジタルとアナログの両方の表示機能をもつこと
- デジタルとアナログの数字表示を備えた時計
- アナログ信号をすべてデジタル信号に変換して行う処理方式
- PCM方式という,アナログ信号をデジタル信号へ変換する方式
- アナログ_(麻雀)のページへのリンク