アナログ放送時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/10 13:13 UTC 版)
アンテナとチューナの間の接続として、同軸ケーブルが一般的になるまでは、平衡接続が主流であった。フィーダー線と呼ばれるインピーダンスの規定された平衡ケーブルが給電線(伝送路)として使われていた。同軸ケーブルはシールド構造であるのに対して、フィーダー線は開放構造で外来ノイズに弱いこと、そもそも機器側の入力端子が同軸ケーブル用のF型コネクタに置き換わっていったことなどから、最近[いつ?]ではほとんど見かけなくなった。300Ωフィーダー線(主にVHF帯の放送受信用)や200Ωフィーダー線(同UHF帯)を在庫している電気店やDIY店も少なくなってきている。 なお、無線機のアンテナケーブルに至っては、アンテナ給電部に用いるバランを除いて平衡接続が使われることはまず無い。 一般にノイズに強いと言われている平衡接続であるが、テレビ、FMラジオ、無線機の分野ではノイズに弱いと言われる。その理由は以下のとおりである。 テレビ、FMラジオ、無線機で使われる周波数の波長は短いため、アンテナやバランの製品加工精度(物理的寸法と設計値の僅かな誤差)により、平衡度が崩れてしまう。 テレビ、FMラジオ、無線機で使われる周波数の波長は短いため、2本の線の間隔が零であると見なせなくなる。そのため、平衡度が高くならない。 テレビ、FMラジオ、無線機受信部で扱う信号のレベルが、他の分野で使われる信号のレベルよりも格段に低いことから、平衡接続によるノイズ軽減量のみではSN比の確保に不十分である。 市販されている300Ωフィーダー線や200Ωフィーダー線はシールドされていないため外来ノイズや外部環境の影響を受けやすい。
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