ロッテルダム市場
【英】: rotterdam oil market
ロッテルダムを中心とする欧州北西部における石油製品のマーケット(市場)全般をいい、ここで取り引きされる石油製品のスポット価格、相場、市況などをロッテルダム市場、またはロッテルダム相場と称しているが、具体的な取引所などがあるわけではない。ロッテルダムはオランダ西部にある欧州最大の貿易港であり、ライン川およびマース川の河口に位置し、欧州経済共同体(EEC)の表玄関「ユーロ・ポート」と呼ばれている。ロッテルダムは 1960 年から 70 年にかけて、欧州における石油製品の需要増大に伴い、多数の製油所が建設され、この地域の石油製品の供給源になるとともに、石油製品取引の市場機能を持つに至った。1985 年 1 月現在、ロッテルダムの石油精製常圧蒸留設備能力は 1,340,500 b/d(オランダ合計 1,498,500 b/d の 89.5 %、西欧合計 15,638,600 b/d の 8.6 %)、また、ロッテルダムの石油貯蔵タンク能力(石油会社製油所内タンクを除く)は約 510 千バーレル(オランダ合計 750 千バーレルの約 70 %、西欧合計約 1.68 百万バーレルの約 30 %)あり、これらの多数のタンクは石油会社、トレーダーなどに賃貸しされている。これらの製油所、貯油設備の存在は深水の良港、内陸交通の便利性、石油製品供給パイプラインの発達と相まって、ロッテルダムは欧州西北部のみならず欧州全体における石油製品需給および価格の均衡点として機能し、一大石油製品市場を形成している。世界の石油製品スポット市場はロッテルダムのほかに、米国・メキシコ湾、ニューヨーク、中東・アラビア湾、極東・シンガポールなどがあるが、ロッテルダムは最も規模が大きく、世界のスポット市況、価格に強い影響力を持っている。ロッテルダム市場において取り引きされている石油製品の種類は、プレミアム・ガソリン、レギュラー・ガソリン、ナフサ、ジェット・ケロシン、ガス・オイル、重油(硫黄分 1.0 ~ 3.5 %)である。 |

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