劣化ウラン弾(れつかうらんだん)(depleted uranium bullet)
原子力発電用の燃料を濃縮処理するとき副次的に発生する劣化ウランを使うので、製造コストがかからない。強力な貫通性によって戦車や装甲車などを攻撃する。
劣化ウランとは、天然に存在するウランから原子力発電用の燃料となるウラン235を取り出したあとにできる残りのもの。ウラン235に比べて放射能レベルの低いウラン238が主な成分となっている。ほかに使いみちがないため、通常は放射性廃棄物として処理される。
劣化ウランは鉄の2倍以上の密度があるので、上空から打ち込めば、非常に高い攻撃性を発揮する。通常の兵器では、戦車や装甲車などの丈夫な車体を破壊するのは難しいが、劣化ウラン弾を使えばそれらを貫通させることが可能らしい。
兵器としての劣化ウラン弾は、1991年の湾岸戦争でアメリカ軍によって初めて使われたが、その後、がんや白血病など放射性疾患に似た「湾岸戦争症候群」が現れたことが確認されている。そのため、劣化ウラン弾には、健康被害との因果関係に疑いが持たれている。
アメリカ軍は26日、イラクでの空爆作戦において劣化ウラン弾を使ったと発表した。ただし、劣化ウラン弾を使った日時や場所、量などについては明らかにしていない。アメリカは、劣化ウラン弾を通常兵器とみなし、国際法に反しないとの立場をとっている。
(2003.03.31更新)
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