やせ型、インスリン分泌低下による食後高血糖例(かくれ糖尿病も含める)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 04:17 UTC 版)
「糖尿病の治療」の記事における「やせ型、インスリン分泌低下による食後高血糖例(かくれ糖尿病も含める)」の解説
こういった症例も1990年代はSU薬での治療が主流であった。作用機序からも明らかであるように食後高血糖(インスリンの追加分泌の初期分泌能の低下)はαGIや速効型インスリン分泌促進薬スターシスやグルファストがよい適応となる。SU薬はインスリンの基礎分泌を高める薬であり、追加分泌を促す作用はない。そのため食後高血糖が低下するように基礎分泌をあげてしまうと空腹時に低血糖となり、空腹感を覚え過食となり治療がうまくいかないこともあった。歴史的にはこういった背景もあり、速効型インスリン分泌促進薬スターシスは販売開始となったのだが、皮肉なことにこのような血糖値のパターンの患者でもSU剤にてコントロール良好となった例ではスターシスやグルファストは効果があまり良くないということが明らかになった。そのためスターシスは当初、現場では効かない薬と思われていた。2008年現在は血糖値の変化パターンは同一だがスターシスが効果的な場合とSU薬が効果的な場合が存在し、治療を行うまで区別することはできないと理解されている(実際には食事、運動療法が全くできていない効果がないことも多々あり、生活習慣病治療の難しいところである)。 以上のことを踏まえるとこういった症例では第一選択としてスターシスを用いて、効果不十分ならばスターシスとグルコバイ、ベイスンの併用療法、それでも効果がなければ薬効が低めのSU剤、具体的にはグリミクロンを用いるといった方法が考えられる[要出典]。 注意すべきことはほぼ同じ作用機序であるにも関わらず、SU薬はインスリン基礎分泌のみを上昇させ、ナテグリニド(スターシス)はインスリン追加分泌のみを上昇させる。基礎分泌と追加分泌両方が足りないということは多々あるのだが、保険診療上SU薬とナテグリニドの併用は認められていない。併用したいときはナテグリニドをαGIで代用することとなっている[要出典]。
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