みそぎ研修
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修養団は伊勢市に神都国民道場というものを持っていて、日本の企業が自社の新入社員に対して愛社心を養生するために皇大神宮前の五十鈴川での「みそぎ研修」を提供している。 修養団が、大手企業に提供している新入社員についてはよく知られている。書かれた時期が古いが、堀幸雄はその著書『戦後の右翼勢力』(増補版)の中で、1982年4月20日付の毎日新聞の記事を引用している。その内容は以下のようなものである。 みそぎの日。夜九時、白装束の受講生に二百五十五人と五十鈴川の河原へ。満月が川面を照らし、吹く風は冷たい。ふんどし一枚になる。エイサ、エイサ、と気合を込めて舟をこぐような準備運動のあと、川の中へ。水温は四、五度。肌の上をピリピリと電気が走る。『肩までつかれ』黒々と前にそびえる神宮の森に向けて合掌。リーダーに合わせて、全員で声を張り上げる。『五十鈴川 清きながれの 末汲みて こころを洗へ あきつしま人』明治天皇の和歌だ。(中略)中山所長は、この三泊四日の講習会について言う。『自衛隊の体験入隊は、規律が厳しいが魂は入らない。禅寺で座禅を組むのは、魂が入っても規律がない。ここにはその両方がある。修業を通じて父母、祖先への思いを深め”自分が生かされている”という実感を体得。自己に内在する”いのち”を活性化させ、ひいては やる気を起こさせますよ』。 — 毎日新聞1982年4月20日 毎日新聞以外では、タイム誌のアラン・タンズマン記者が実際に体験してそのレポートをタイム1983年1月31日号(国際版は2月7日号)に書いている。タンズマンの言によると、水の冷たさは寒いを通り越して痛いという感覚だったという。上記の記事では男性の例しか出てこないが、女性の場合は薄物をまとい、男の場合と同様に鉢巻きをし、夜か朝に、明治天皇の和歌を唱和して一分間五十鈴川に肩までるかる。修養団は、これを「水行」と呼んでいる。これは夏冬無関係に提供される研修である。鉢巻きには「愛 汗」と書かれている。 日立グループ、住友金属、宇部興産、三菱金属、トヨタ車体、東芝、三菱電機、松下電器産業などが継続的にこのような社員研修を行っている。
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