ボリバール・コースタル油田
【英】: bolivar coastal oilfield
ベネズエラ西部、マラカイボ湖北東部の湖上および湖岸にあるカビマス(旧称ラロサ)油田、ラグニラス油田、ティアフアナ油田、バチャクエロ油田の4油田の総称。同国で最大、世界でも屈指の大油田。 シェル社により1917年にカビマス油田、1926年にラグニラス油田、1928年にティアフアナ油田、1930年にバチャクエロ油田が次々と発見され、その後これら4油田はひと続きであることが判明してボリバールコースタル油田と呼ばれるようになった。各油田は発見後ほどなく生産が開始された。 1976年1月の外国利権国有化により、本油田の操業は国営会社PDVSA傘下のマラベン社によって行われている。 地質区としてはマラカイボ盆地(前縁盆地)に属し、集油形態は断層で切断された背斜トラップ、不整合トラップなど多様。油層は第三紀始新世と中新世の砂岩(多層)で、深さは660~3,200メートル。究極可採埋蔵量は約300億バレルと見積もられている。原油はアスファルト基で、重質・高イオウである。カビマス、ラグニラス、ティアフアナ、バチャクエロの順に原油性状を示せば、比重21.4、15.5、10.5~16、14.3°API、イオウ分1.3、2.3、2.5、2.5%である。回収率を高めるため油層への水蒸気圧入が実施されている。 1979年の産油量は126万バレル/日、同年末における累計生産量は約200億バレル、1986年の産油量は90.8万バレル/日であった。最近の数値は不詳。 <主文献「ペトロテック」4巻2号 (1981)、「世界の大油田」(1984)> (齊藤 隆、2007年3月) |

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