ほかの内服薬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/15 09:33 UTC 版)
乾癬・角化症治療薬としてエトレチナート(商品名チガソン)が先に発売している。かつて治療薬が不在であった急性前骨髄性白血病(APL)の第一治療薬としてオールトランスレチノイン酸 (ATRA、商品名ベサノイド) が開発された。 国内ではエトレチナートが1985年に、ベサノイドが希少疾病用医薬品として1995年に承認され、どちらも日本ロシュ(現:中外製薬)が輸入販売を行っている。急性前骨髄性白血病の第二選択薬としてタミバロテン(商品名アムノレイク)が希少疾病用医薬品として、東光製薬によって開発され、2005年に日本新薬から発売されている。エトレチナートは催奇性というハイリスクな副作用から、1990年代に北米で発売が中止され、先進国では日本でしか使われていない。 これらの製剤は催奇性をはじめとする警告があるため劇薬指定である。 特にエトレチナートは脂溶性が強く、体内に長期間蓄積されることから、服用後から最低2年間は男女とも妊娠につながる性行為と、献血をしてはならない事となっている。処方に当たって医師からの説明の上、同意書を交わす。閉経前の女性に対しては、妊娠検査を行い、妊娠していないことを確認される事もある。そして薬剤師の問診・確認を済ませて初めて処方されることとなっている。 一方、ベサノイドとタミバロテンは抗腫瘍薬としてたいへん高濃度のレチノイン酸で組成され、重篤な副作用として呼吸不全などの「レチノイン酸症候群」があるため、緊急時に十分処置できる医療施設及び化学療法に精通した医師の下で使用する事となっている。期間は短いものの、服用前後一定期間の妊娠・性交が禁じられている(日本における献血は現在、悪性腫瘍の既往歴がある者はできない)。
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