ひなまつりの事故原因と対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/22 13:58 UTC 版)
「インターステラテクノロジズ」の記事における「ひなまつりの事故原因と対策」の解説
CAMUIおよびSNSロケットは燃焼室に点火後、バルブ操作で液体酸素(SNSの場合は加えて液体燃料)を流しこむことにより燃焼させるが、このバルブが動作しなかったために正常に推力が発生せず、発射台にとどまった。 当初不具合の原因は バルブ操作用アクチュエータの駆動源であるコンプレッサーの動作不良 アクチュエータを駆動する圧力配管の不良 アクチュエータの機械的不良 バルブの凍結や破損による不良 が予想されていた。 しかし打ち上げ90分前の動作確認時にアクチュエータ及びバルブが正常に動作することが確認され、消火後に回収されたアクチュエータ及びバルブが問題なく動作することも確認された。そのためアクチュエータ及びバルブの不良という可能性は排除された。消火後に動作確認をした際にバルブには霜が付着していたため、バルブが凍結していたが火炎で解凍されたという可能性も排除された。 後に射点付近の記録のために設置されていたカメラの解析により、アクチュエータ駆動用の圧縮空気がアクチュエータの動作限界圧力(0.66MPa)を下回っていることが確認された。 この圧縮空気はコンプレッサーから供給され、コンプレッサーは可搬型の発電機を使って駆動されるが、鎮火後に確認した際に発電機が停止していたことが確認された。 発電機が停止した原因として、通常打ち上げの際には手順書を確認し動作確認や安全確認が行われているが、以前から手順書を確認する際に動作音の大きい発電機やコンプレッサーを停止するという操作が行われていた。この操作は手順書には書かれておらず、もちろん発電機やコンプレッサーを動作させる手順も記載されていなかった。そのため停止された発電機とコンプレッサーが再稼働されること無く放置され、駆動圧力を低下させるという結果に至った。 対策としていくつかの改善点が発表されているが、その一部を下記に記する アクチュエータ駆動用の圧縮空気をコンプレッサーから高圧ボンベに変更する 燃料充填終了後にもバルブの動作を確認する(タンクを加圧するための高圧ヘリウムを接続する前であれば可能) 圧力やバルブ位置を確認するための手段を追加する 離床しなかった場合に液体酸素を放出するためのバルブを追加する 離床しなかった場合に燃焼室内にパージガスを吹き込んで遠隔で鎮火できるようにする なお点火約13分後に小規模な爆発的燃焼が確認されたが、怪我を含めた人的事故は発生しなかった。
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