二律背反
読み方:にりつはいはん
現代の 一般的な文脈では、「どちらも正当であり、かつ、互いに対立する主張」を指すような意味で用いられることが多い。どちらも捨てがたいが両取りはできない選択肢、たとえば「商品の品質向上」と「商品の低価格化」、あるいは「環境の保護」と「産業の発展」のような対立。単に「矛盾」や「逆説(パラドックス)」と言い換えても差し支えない意味合いで用いられることも多い。
カントは「時間・空間は有限である」「時間と空間は無限である」といった二律背反を提示した。カントによれば、二律背反は本来生じるはずのない状況であるが、時に人間理性の誤解によって生じるという。
ちなみに「自己矛盾」も、二律背反と同様、Antinomie の訳語として用いられることのある語である。これは理論や行動そのものの中に自らを否定する要素が含まれている状況を指す。
二律背反の意味とは
二律背反は、哲学の用語で、ふたつの矛盾する(併存し得ない)命題がどちらも成立し得る状況のことである。論理的根拠に基づき、ある命題と、その否定命題が、同等の妥当性を持って証明できる状況。現代の 一般的な文脈では、「どちらも正当であり、かつ、互いに対立する主張」を指すような意味で用いられることが多い。どちらも捨てがたいが両取りはできない選択肢、たとえば「商品の品質向上」と「商品の低価格化」、あるいは「環境の保護」と「産業の発展」のような対立。単に「矛盾」や「逆説(パラドックス)」と言い換えても差し支えない意味合いで用いられることも多い。
二律背反の語源
「二律背反」は Antinomie(アンチノミー)の訳語である。なお Antinomie はドイツ語の表記であり、英語では antinomy と表記する。「アンチノミー」の概念そのものは、古代ギリシア哲学にも見られるが、ドイツ哲学(とりわけイマヌエル・カント)において追究された。カントは「時間・空間は有限である」「時間と空間は無限である」といった二律背反を提示した。カントによれば、二律背反は本来生じるはずのない状況であるが、時に人間理性の誤解によって生じるという。
二律背反の類語と使い分け
二律背反の類語・類似表現としては「パラドックス」や「ジレンマ」などが挙げられる。おおむね「本来成り立たない状態が成り立っている」ことを指すという点で共通している。ちなみに「自己矛盾」も、二律背反と同様、Antinomie の訳語として用いられることのある語である。これは理論や行動そのものの中に自らを否定する要素が含まれている状況を指す。
にりつ‐はいはん【二律背反】
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