【Tu-154】(つぽれふひゃくごじゅうよん)
1960年代半ばにソ連のツポレフ設計局によって設計された短・中距離路線向けの3発ジェット旅客機。
NATOコードは「ケアレス」。
Tu-134の拡大発展型で、エンジン配置はTu-134と同じく、主翼にエンジンを搭載せず、機体後方に装備し、垂直尾翼基部に3基目のエンジンを追加した尾翼集中方式を採用している。
そのため、駐機状態での胴体部の高さが低く、運用にあたって特別な地上設備を多く必要としない為、設備の整わない空港での運用が容易になっている。
2006年までに派生型を含め935機が生産された。
共産圏の国々で現在も現役で、本機をフラグシップとする航空会社も多い。
日本へは騒音基準に適応したTu-154Mが飛来しており、新潟空港とハバロフスク、ウラジオストク便がある。
スペックデータ
乗員 | 3~4名 |
座席数 | 158~167名(Tu-154) 180名(Tu-154M) |
全長 | 47.90m |
全高 | 11.40m |
翼幅 | 37.55m |
最大離陸重量 | 90,000kg(Tu-154) 100,000kg(Tu-154M) |
エンジン | クズネツォフNK-82ターボファン×3基(Tu-154) ソロヴィヨフD-30KU-154-IIターボファン×3基(Tu-154M) |
巡航速度 | 975km/h(Tu-154) 950km/h(Tu-154M) |
航続距離 | 5,280km(Tu-154) 6,600km(Tu-154M) |
派生型
- Tu-154:
初期型。エンジンはグズネツォフ設計局製のNK-82ターボファンを搭載。 - Tu-154A:
エンジンをクズネツォフ設計局製のNK-8-2Uターボファンに換装し、自動着陸装置を搭載した型。 - Tu-154B:
客室を延長し、座席数を増加させた型。 - Tu-154B-2:
アメリカ製の自動操縦装置を装備した型。 - Tu-154M:
近代化改修型。
主にエンジンの換装(ソロヴィヨフD-30ターボファン)や前縁スラットの小型化及びスポイラー面積の拡大、INSの搭載などが挙げられる。改良型としてアビオニクスを中心に更に近代化を施されたM-LuxやM-100がある。 - Tu-155:
石油系燃料に代わる代替燃料を動力とすることを目的に開発した試験機。
中央第二エンジンを液体水素もしくは液化天然ガスを燃料とするサマーラNK-88ターボファンに換装している。
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