その他の比較研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 03:49 UTC 版)
「ジョルジュ・デュメジル」の記事における「その他の比較研究」の解説
三機能仮説のほかにもデュメジルは様々な方法論を駆使して印欧の諸神話を比較している。注目されるのは「神話から歴史/叙事詩への移行」である。これまでは歴史的事実が神話化されるとか叙事詩になるとか言われていたものが、実際は神話であったものが歴史化されたものである、という主張であり、たとえばロムルスとレムスなどローマ最初期の歴史、『マハーバーラタ』(インド)、『デンマーク人の事績』(北欧)などは好例とする。ローマ神話の再構成については、これまで「ローマ人はもともと神話を持たなかった」という定説をくつがえすのに十分なものではあったが、ローマ史の専門家からは激しい批判を浴びた。 他にも曙の女神、水神、火神など多くの比較研究が行い、そのいくつかは19世紀の比較神話学によって関連が主張されたものを、デュメジルが現代的な観点から再検証を行ったものである。 また多言語の習得でも知られ、ほとんどのインド・ヨーロッパ諸語に精通し、複雑で知られる北西コーカサス語族の権威でもあった。しかし本人によれば、30の言語を勉強したが、英語を含めてどれ一つとして正確に話せない。 なおデュメジルは神話や宗教を研究していたが形而上的な問題については自然科学的な立場にあり、死後の存在については否定的で、人間の思考は究極的には脳の神経細胞の働きによるものだと考えていた。
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