この体制の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 20:41 UTC 版)
「ブレトン・ウッズ協定」の記事における「この体制の問題点」の解説
このブレトン・ウッズ体制は、確かに世界的な金融市場の安定に寄与する側面はあったが、対外為替が「金1オンス=35USドル」という固定相場制であり、基準を設けたことで安定獲得には寄与したものの、その後の1972年に起こったニクソンショックに代表される「お金とは何かという本質を見えなくさせてしまう問題」が起こった。 そもそも、どの国家も内国に限れば、自国産業を守り発展させるため、技術開発と生産性向上によるGDP(国内総生産)拡大と、福祉向上や教育などのために、自国通貨建ての国債を発行し、需要と供給を喚起することができ、それは金兌換とは無関係なものなのだが、それすらも金兌換が必要だと思い込ませてしまう誤解が、世界中の国々に浸透する結果となった。現在はその誤解が広まった結果として多くの先進国で自国通貨の発行不足がデフレーションを引き起こしているケースが散見される事態が起こっている。特にユーロ圏で自国に他の国からも需要がある強い製品やサービスを生産する力があるにも関わらず不況に悩まされるディスインフレやデフレーションは明らかに通貨の発行不足であると見る専門家も多い。 特に日本の場合、90年代初頭のバブル崩壊以降に「国債発行=国の借金であり国民の税負担により返済しなければならないという誤解」のためにデフレが深刻化したという批判も多く、そのため「政府が積極的に支出を増やす=国債発行を行わないと国家の衰退につながる」と批判する評論家も多数存在する。 いずれにしても「自国通貨の発行は需要と供給を全体的に活性化させるための経済調整の手段であるという事実」が誤解されたことによる弊害は大きいといわざるを得ない。
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