けちな騎士
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:42 UTC 版)
『けちな騎士』 (ru:Скупой рыцарь) は1826年に構想され、1830年10月23日に完成した。出版はおくれて1836年に自ら刊行した『同時代人』創刊号に掲載された:614-616。1837年2月に上演される予定だったが、プーシキンの死によって中止された。 副題に「チェンストンの悲喜劇 The Covetous Knight より」とあり、ここでいうチェンストンとはおそらくウィリアム・シェンストーン(英語版)のことかというが、この題の作品は存在せず、架空の作品の翻訳に見せかけたものという。 吝嗇をテーマとする。中世フランスを舞台とし、作品は3場から構成されるが、第2場は全体が金を貯めこむ男爵の独白になっている。ドストエフスキーは『未成年』の中で、この独白以上に想において優れたものはプーシキン自身作り出したことがないと言っている:614-616。 あらすじ:貧乏な騎士アルベールはユダヤ人の金貸しであるソロモンから金を借りようとするが、ユダヤ人は父の男爵を殺せば遺産が手に入ることをほのめかす。いっぽう男爵は穴蔵に金貨を蓄えることが生き甲斐で、この金がいずれ息子の放蕩に使われることを心配している。アルベールは大公に父を訴え、大公は男爵を呼びだす。男爵が息子が財産を狙って自分を殺そうとしていると語ると、怒ったアルベールがその場に乱入、男爵は息子に決闘を申し込む。大公は決闘を止め、アルベールを去らせるが、男爵はその場で倒れて死ぬ。
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