『運命』という名称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 08:45 UTC 版)
「交響曲第5番 (ベートーヴェン)」の記事における「『運命』という名称」の解説
本交響曲は、日本では『運命』、ドイツ語圏では『運命交響曲 (Schicksalssinfonie)』という名称で知られているが、これは通称であってベートーヴェン自身による正式な命名ではない。 この通称は、ベートーヴェンの秘書アントン・シンドラーの「冒頭の4つの音は何を示すのか」という質問に対し「このように運命は扉をたたく」とベートーヴェンが答えた(後述)ことに由来するとされる。しかし、シンドラーはベートーヴェンの「会話帳」の内容を改竄(かいざん)していたことが明らかになっており、信憑性に問題がある。またベートーヴェンの弟子だったカール・チェルニーはこの冒頭について「ベートーヴェンがプラーター公園を散歩中に聞いたキアオジという鳥の鳴き声から発想を得た」と述べている。 このように学術的な妥当性は欠くものの、日本では現在でも『運命』と呼ばれることが多い。海外においても同様の通称が用いられることがある。ラフマニノフは『運命』(Судьба op. 21-1) という歌曲を作曲しており(セルゲイ・ラフマニノフの作品一覧#歌曲参照)、ベートーヴェンの交響曲第5番の冒頭の動機(原曲は長3度)が、短3度、長3度、長6度などに変化して繰り返し引用される。 こうした事例は本作に限ったものではなく、他の作品にもある。詳細は「交響曲#交響曲の番号」、「交響曲の副題」を参照のこと。
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