『運動について』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 23:38 UTC 版)
「ガリレオによるピサの斜塔実験」の記事における「『運動について』」の解説
『運動について』はピサ大学教授時代に書かれた本である。ただしガリレオの生前には公刊されていない。 同書では、塔からの物体落下について複数回取り上げている。そしてその中では、以下のようにアリストテレスを批判している。 この(アリストテレスの)意見が、どれほど馬鹿げたものであるかは、白日よりもなお明らかである。というのは、たとえば次のようなことを誰がいったい信ずるだろうか。一方が他方の一〇〇倍も大きい鉛の球が月の天球から落された場合、大きい方が一時間で地球に到着するのに、小さい方はこの運動に一〇〇時間も費すなどということを。また、一方が他方の二倍の大きさをもつ二つの石が、高い塔から同時に投げられた場合、大きい方が地上に着いたとき、小さい方がまだ塔の半分のところににいるなどということを。 しかし上記の箇所においても、また、同書中の他の箇所においても、ピサの斜塔から実験したとは述べられていない。そのうえ同書では、「運動の初めには軽いものの方が重いものより先を進み、より速い」とも記されている。この時代のガリレオは、まだ落体の法則についての考えが固まっていなかったと考えられている。
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