『新明解国語辞典』における老人語
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「老人語」の記事における「『新明解国語辞典』における老人語」の解説
1972年に刊行された『新明解国語辞典』は、女性語や学生語等と並んで、「ことばの使用相のレッテル」の一つに老人語を設定し、話題となった。 『新明解国語辞典』の項目としての「老人語」の定義は、「すでに青少年の常用語彙の中には無いが、中年・高年の人ならば日常普通のものとして用いており、まだ文章語・古語の扱いは出来ない語」というものであり、例として「日に増し・平に・ゆきがた・よしなに・余人(よにん)」を上げている。また、初版の編集方針において、類義語の弁別において、「漢語的表現・老人語などの名称のもとに」違いを説明するとし、さまざまな語彙の説明に「老人語」や「老人語的」と記した。 これに対して、初版発行直後から、外山滋比古や朱牟田夏雄など複数の知識人が、「自分の常用語に怪しからぬレッテルを貼られた」という視座の論陣を張り、物議を醸した。一方で、米川明彦は、1990年代に『新明解国語辞典』の「老人語」を高齢者が実際に使用しているかを調査し、これらの語彙は、実際にはほとんど死語であると述べている。 なお、『新明解国語辞典』第4版(1989年)以降、版を改めるごとに、一部の語彙において「老人語」という説明を「古風な表現」「やや改まった表現」などに改めたり、「老人語」の説明を削除したりし、第7版(2012年)で「老人語」という説明は完全に廃された。
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