『建物としての自画像』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 00:35 UTC 版)
「マーク・マンダース」の記事における「『建物としての自画像』」の解説
マンダースは1986年から"Self-portrait as a building"(建物としての自画像)を制作している。これは、架空の建築設計図ンの連作である。最初の作品は1986年の"Inhabited for a Survey, (First Floor Plan from Self Portrait of a Building)"(調査のための居住(建物の自画像から1階平面図))で、鉛筆やクレヨンなどを使ってギャラリーの床に設計図が描かれている。 この架空の建物は、実在の芸術家マーク・マンダースの分身である「マーク・マンダース」という架空の芸術家を表している。(実在の)マンダースは、この架空の人物を「神経質で、人工的な世界にしか存在できない繊細な人物」と表現している。マンダースの展覧会では毎回、自画像の建物の進化する平面図と様々なアート作品が展示されている。 マンダースはこの建築物を使って作品を駆動し、建築物に判断を委ね、これを「機械」(machine)と呼んでいるが、同時に物を置いてこの記憶空間を展開している。このような架空の空間を作りながらも、マンダースは「現実の世界」にある「本物の物」を使って彫刻を作ることにこだわっている。 「私は自分の作品を公共の場で発表することはあまりなく、人々が選んでアートを見に行くような美術館で発表しています。しかし、1991年以降、完成したばかりの作品は必ずスーパーマーケットでテストしています。作品のラベルがないところで、新しい作品を想像して、それが生き残れるかどうかを確認するのです。それは誰かがスーパーマーケットに置いただけのものですから。今では、私の作品は全てその環境に耐えられると確信しています」彼は、現実の世界や制度的なアートの場を疎ましく思うことがある。彼は、自分の作品は展示されている間は変わらないが、「現実の世界」に入るたびに文脈が変わると主張している。
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