『国家について』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 09:46 UTC 版)
「スキピオ・アエミリアヌス」の記事における「『国家について』」の解説
天を見よ。不滅の住家、古里でもあるこの天を、ひたむきに見よ。己が成すべき大事こそ思わば、世俗の評判、報償なぞに、何の意味が見えようか。ただ美徳のみが自ずから、汝を高きへと導くであろう。 キケロ『国家について』第6巻「スキピオの夢」15.25 『国家について(英語版)』(De Re Publica)は紀元前54年からおそらく紀元前51年にかけて書かれた作品で、プラトンの『国家』に倣って、紀元前129年に小スキピオが彼の家で行った対話という形をとっている。その最後の第6巻は冒頭部分が欠損しているものの、マクロビウス(英語版)によって伝わっており、夢の中で小スキピオが養祖父の大スキピオに会う話で、「スキピオの夢」と称され、宇宙の様子や魂について書かれた格調高いものとなっている。 なお「スキピオの夢」と称されるエピソードには、大スキピオがヒスパニア遠征の直前に見たとされる、「徳」の女神と「快楽」の女神の間の選択の物語があり、こちらの出典はシリウス・イタリクス『プニカ』第15巻である。ルネサンス期の画家ラファエロ・サンティが制作した絵画『騎士の夢』は後者による。 18世紀の音楽家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの音楽劇『シピオーネ(スキピオ)の夢(en)』(発表は1772年)はピエトロ・メタスタージオのリブレットに基づいており、こちらはキケロの宇宙論にイタリクスの物語を加えた折衷版になっている。
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