「JAM」とニュース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 21:38 UTC 版)
「JAM/Tactics」の記事における「「JAM」とニュース」の解説
「JAM」の飛行機事故に関するくだりは実際の出来事に基づくもので、吉井が世の中の不条理を書いていたあるときテレビをつけていると外国の飛行機事故のニュースが流れた。ニュースキャスターは「わりと満面の笑みで」日本人の乗客がいなかったことを伝えた。邦人安否を伝えるにあたり、ニュースキャスターが満面の笑みで嬉しそうに見えるようなことがあってはならないであろうと吉井は疑問を感じた。 「JAM」をきっかけにスマートニュース社を設立した実業家で社会学研究者でもある鈴木健は、田原総一朗との2016年の対談で次のように語った。 ザ・イエロー・モンキーというバンドの『JAM』という曲をご存じですか。そこに「外国で飛行機が落ちました。ニュースキャスターは嬉しそうに『乗客に日本人はいませんでした』」と言ったという歌詞が出てきます。これは象徴的な歌詞で、既存のニュースメディアは日本人に向けて発信されている。つまり国民国家を前提としたメディアであるということがわかります。僕は国家単位のニュースがいいとか悪いという議論をするつもりはありません。ただ、オルタナティブとして、国民国家を前提としない情報伝達の仕方があってもいいんじゃないかと思ってます。 こうした、自国民に被害がないという事実が出て来たところで思考停止し、異質な他者への想像力が不在の内向きな思考が日本の既存ニュースメディアにあり、吉井は2015年のトライアド復活ライブ『TRIAD ROCKS -Columbia vs Triad-』において飛行機事故のニュースに関して次のように語った後に「JAM」を歌った。 今聞くとウソみたいと思うかもしれないけどさ、昔は外国で飛行機事故があったとき、ニュースキャスターは笑顔で「乗客に日本人はいませんでした」って言ってたんだよ。そう考えると、この曲を作ってよかったんだと思える。 2016年に出演したテレビ番組『バズリズム』で語ったところによると、吉井はニュースキャスターが「わりと満面の笑み」であったことについて、「嬉しそうにするのはまずいんじゃないの?」と思ったということであった。
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