「1つ分の数」×「いくつ分」の順序で書く方が合理的である
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 09:17 UTC 版)
「かけ算の順序問題」の記事における「「1つ分の数」×「いくつ分」の順序で書く方が合理的である」の解説
日本は「4の6倍」式に4×6と書くが,欧米では「6倍の4」式に6×4と書く.これは(中略)言語習慣から来ている.ただし,日本式の方が合理的というのが世界の相場(中略)「4の6倍」式に操作をあとから書く日本式が便利になる.最近のコンピューター言語はこちらが便利だし,欧米語でヨコ書きを左から右に書いているときも,6xと逆行するよりも,x6と続ける方がやりやすい. — 森毅 、 数の現象学 p67,p76 かけ算は、「1つ分の数」×「いくつ分」のように、操作内容である乗数を後に書く方が合理的であるとの判断が世界的に見て多い[要出典]。 なお、乗算 における被乗数の定義は掛けられる方の数(1つ分の数)、乗数の定義は掛ける方の数(いくつ分)である。 乗数を右に書くと、四則演算のすべてが 操作される数、操作する数 の順に統一でき合理的である。欧米では「6×」の書き方も普及しているが、2を引くひき算は「−2」のように書き、演算によって数字と記号の位置関係が逆である。 電卓で4を6倍する場合、4、×、6、= の順に押しても、6、×、4、= の順に押しても正しい計算結果は表示されるが、6倍した後に更に2倍する場合、続けて ×、2、= の順に押すしかない。 逆ポーランド記法で行う一部の電卓(HP-15Cなど)では、4、Enter、6、× の順に押した後、2、× の順に押すことができるが、四則演算すべてが逆ポーランド記法になるため、更に3を引く場合、3、- の順に押さなければならない。 四則演算のうちかけ算だけ押す順序が変わる電卓は存在しない。 プログラミング言語は、被乗数と乗数の順序にこだわりはない。 変数aを6倍した値を表す式は、a * 6 でも 6 * a でも記述できる。 変数 a は数値だけでなく文字列にできる言語(Pythonなど)もあり、たとえば "W"*3 や 3*"W" の評価結果は "WWW" になる。World Wide Web Consortiumの略称であるW3C乗数が右にある。Rubyは 3*"W" と書けないが、これは文字列のクラスに * 演算のメソッドがあり、数値のクラスに文字列の引数を持つ * 演算のメソッドがないためである。 クラス(オブジェクト)を被乗数、メソッドを乗数と見た場合、被乗数→乗数の順序があると見ることもできる。 変数 a を6倍する(その結果をまた変数 a に戻す)式は、a *= 6 のように乗数を右に記述することになる。
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