「王者」と競合し得る「召使い」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 06:07 UTC 版)
「政治家 (対話篇)」の記事における「「王者」と競合し得る「召使い」」の解説
以上の「補助原因(構成要素)となるもの(についての技術)」に携わる人々を排除すると、「王者」と競合する可能性があるのは、 「奴隷」 (各種の)「召使い」 のみとなるが、主人に購入されて隷属している「奴隷」が、「王者の持つべき技術」を持ちたいと熱望することはあり得ないので、「召使い」のみが残る。 そして、「召使い(召使い的奉仕を行う人々)」としては、まずは、 「商人」 - 両替商人・貿易商人・小売商人など。 「賃金労働者」 「下級吏員」 - 伝令・公文書など、政府当局の種々の業務に熟達している人々。 などを挙げることができるが、これらは「王者」の競合者としては、とりあえずは排除することができる。 続いて、 「予言者」 - 「予言術」の担い手。 「神官」 - 「奉納・祈願を執り行う術」の担い手。 といった類の人々を挙げることができる。これらも一見、ただの奉仕の技術のように見えるが、エジプトにおいては国王は神官を兼務しなくてはならないし、アテナイにおいても(形骸化したものの)その名残が残っている(アルコーン・バシレウス)ように、「宗教行事」は国家統治機関の中枢部を占めるものであり、軽視することはできない。 また他にも、 「ソフィスト」 - 「ソフィストの術」の担い手。 という「異様でいかがわしい人々」もいるので、何とかして彼らを「政治家(王者にふさわしい人)」の部類から排除しなくてはならないと客人は指摘する。ソクラテスも同意する。 そこで客人は次に、諸々の政治的支配形態(政体/国制)について、考察することにする。
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